紀伊山地の霊場と参詣道

世界遺産検定3級4級
8

世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』は奈良・和歌山・三重の3つの県にまたがる世界遺産です。吹き数の参道と社寺で構成されますが、今回の学習は世界遺産検定4級で問われる部分を中心に見ていきたいと思います。


奈良県の世界遺産としては、「法隆寺地域の仏教建造物群」「古都奈良の文化財」についで3つ目の世界遺産です。世界遺産が3つもあるとは、なんとも羨ましい。。。

①基本情報

奈良県・和歌山県・三重県(紀伊山地)
登録年:2004年/2016年範囲変更 
登録基準:②③④⑥

②基礎知識

熊野三山に至る熊野参詣道は「熊野古道」とも呼ばれる。


奈良、和歌山、三重の3県にまたがる紀伊山地に「吉野・大峯(よしの・おおみね)」「熊野三山(くまのさんざん)」「高野山(こうやさん)」の3つの霊場と、それらを結ぶ参詣道(さんけいみち)がある。それぞれの寺院や神社と自然の環境が、神道と仏教が混ざり合った神仏習合(しんぶつしゅうごう)の思想をよく表す文化的景観を作り上げている。

参詣道としては保存状態の良い部分のみが世界遺産登録されており、2016年に約40kmが追加された。(熊野参詣道の中辺路と大辺路の18地点と高野参詣道の4地点)

*神仏習合:日本に古くからある自然崇拝から生まれた神道と、大陸から伝わった仏教が混ざり合った、日本固有の信仰形態。
*文化的景観:人間が自然環境を生かしながら作り上げた固有の文化が見られる景観。


熊野には日本神話の中で、神武天皇(じんむてんのう)が熊野の*八咫烏やたがらす)に導かれて *東征(とうせい)を行い初代天皇に即位したという逸話が残る。古くから、吉野・大峯と並ぶ修験道の聖地として知られていた。平安時代後期には*阿弥陀信仰(あみだしんこう)における浄土(じょうど)として信仰を集めるようになり、後白河上皇(ごしらかわじょうこう)などの皇族や貴族が熊野詣を行ったという。

室町時代以降は一般の人々も熊野を参詣するようになり、人々が山道を歩く様子を蟻が行列する姿にみたて、「蟻の熊野詣で」と呼ばれるほどの賑わいとなった。

*八咫烏:太陽の化身とされる、三本の足を持ったカラス。
*東征:神武天皇が大和を征服し、即位するまでの話。『古事記』などに書かれた。
*阿弥陀信仰:死後、阿弥陀仏に導かれ、極楽浄土で仏となることを説く教え。


江戸時代後期に、*神仏分離(しんぶつぶんり)の流れができたのをきっかけに、熊野信仰は衰退した。

*神仏分離:神道の神と仏教の仏を、はっきりと区別すること。江戸時代後期より唱えられ、明治政府の神仏分離令で決定的となった。

神倉神社(かみくらじんじゃ)

熊野速玉大社にある神倉神社は、熊野の神が降り立ったとされるゴトビキ岩を御神体としている。

熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

修験道の聖地で熊野速玉大社や熊野那智大社とともに「熊野三山」と呼ばれる。

那智大滝(なちおおたき)

那智川にある48の滝のうちの「1の滝」で、熊野那智大社の青岸渡寺(せいがんとじ)の信仰対象となっている。

金剛峯寺(こんごうぶじ)の根本大塔(こんぽんだいとう)

金剛峯寺は、*空海が開いた真言密教(しんごんみっきょう)の寺院が一帯に広がる高野山の中心地。
*空海:真言宗を開いた平安時代の僧で、弘法大師とも呼ぶ。

金峯山寺(きんぷせんじ)の蔵王堂(ざおうどう)

修験道の本尊である蔵王権現をまつる。霊場としての吉野の中心的存在。

(画像準備中)

吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)

水をつかさどる天水分命(あまのみくまりのみこと)などがまつられている。現在の社殿は、豊臣秀吉の子、秀頼(ひでより)によって再建された。  

(画像準備中)

③似ている世界遺産

スペイン
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道


1993年登録、2015年範囲拡大 登録基準②④⑥
スペインの北西部で、キリスト教の十二使徒のひとり聖ヤコブの墓が見つかると、エルサレムやヴァティカンに次ぐ聖地として、ヨーロッパ各地から王貴族や民間人の巡礼者が集まった。
最盛期の12世紀には、墓の場所にサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂が建てられ、フランスからスペインに入り、その北部を東西に走る巡礼の道を、年間50万人もの巡礼者が通ったとされる。

現在は、フランス側とスペイン側で別の世界遺産として登録されている。
この道はまた、巡礼者の他に商人や職人、騎士なども行き交う文化交流の道でもあった。巡礼路沿いには巡礼者のための病院や安い宿泊施設、教会や聖堂などが残されており、現在でも多くの巡礼者がそれらを利用しながら大聖堂を目指す。道中の至る所で、聖ヤコブのシンボルであるホタテ貝の印が見られる。  

④本日の練習問題

世界遺産検定4級からの問題です

[1]『紀伊山地の霊場と参詣道』の霊場である熊野は、平安時代後期に信仰を集めるようになり、後白河上皇などの皇族や貴族が熊野を参詣しました。このことは何とよばれたでしょうか。

①熊野詣 
②熊野駆 
③上皇行進 
④上皇参勤

◆『紀伊山地の霊場と参詣道』に関する次の文章を読み、以下の問いに答えなさい。
『紀伊山地の霊場と参詣道』は、日本固有の神道と大陸伝来の仏教が混ざり合った( 2 )の思想をよく表す文化的景観が見られます。また巡礼者が通った道も合わせて世界遺産に登録されています。同様に、巡礼路が登録されている海外の遺産として、スペインにある『( 4 )の巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道』などがある。

[2]文中の空欄( 3 )に当てはまる信仰形態は何でしょうか

①神仏習合 
②長幼の序 
③神仏分離 
④因果応報

[3]下線部「文化的景観」の世界遺産としての分類はどれでしょうか

①文化遺産 
②自然遺産 
③環境遺産 
④美的遺産

[4]文中空欄( 4 )に当てはまる場所(遺産の一部)は何でしょう

①ウルル、カタ・ジュタ
②アルベロベッロ
③サンティアゴ・デ・コンポステーラ
④モン・サン・ミシェル

以下回答です

[1] ① [2] ① [3] ① [4] ③  

如何でしたか。

数年前に神倉神社を参拝しました。
急な勾配の石段を息を切らしながら登りきり、「ゴトビキ岩」をこの目で見たときは、これは神がかっている!と思ったものです。
それ以外の熊野三山の1つ1つの社寺も規模が大きくとても立派でしたし、那智大滝を目の前にした時も、とても神聖に感じました。
自然の中に根付いた文化は本当に素晴らしい景観を生み出すものなのだと思いました。 次は是非高野山に参りたいです。

世界遺産好きとしては、スペインの巡礼路にもいつか立ってみたいです。  

では、また明日もお待ちしています。  

tomo

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