世界遺産検定マイスター(問1)語句を簡潔に説明する

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

世界遺産検定マイスターの学習時に作成したものを参考までに残しておきます。
マイスター試験の<問1 次の語句を簡潔に説明しなさい>をまとめました。
それぞれの語句を約50 文字以内で説明する問題です。
※語句ごとに必須の要素があるそうですが、それは網羅していません。( 「暫定リスト」では 「潜在的なOUV」、「緊急的登録推薦」では「顕著な普遍的価値があるとみなされる遺産」など)

正解文というわけではありませんので、試験の際はご自身が納得いく説明文で望んでいただきますよう、お願いします。

  • 顕著な普遍的価値/Outstanding Universal Value

国の境界を超越し、全人類にとって現代及び将来世代に共通した重要性を持つ傑出した文化的意義や自然的価値

  • 世界遺産リスト

世界遺産として登録された遺産の一覧表で、自然遺産、文化遺産および複合遺産ごとに作成されるリスト

  • 世界遺産条約履行のための作業指針

世界遺産条約の適切な履行促進のための作業指針で、登録基準や定義の他、規定や実務的な手続きの指針を示す

  • 世界遺産条約締約国会議

世界遺産条約全締約国により2年に1度開催される会議で、委員国の選定や分担拠出金の分担比率の決定などを行う。

  • 世界遺産委員会

通常1年に一度開催される政府間委員会で、世界遺産や世界遺産条約に係る事項について、検討し決定を行う。

  • 4段階の決議

世界遺産委員会は、世界遺産リストへの記載可否の決議を登録、情報照会、登録延期、不登録の4段階で行う。

  • 登録決議

世界遺産委員会は、暫定リストの内容と推薦書、諮問機関からの勧告書などを基に世界遺産の登録決議を行う

  • 情報照会決議

世界遺産登録の審議で世界遺産委員会が追加情報を求める決議で、推薦書の再提出で次回に審査がおこなわれる。

  • 登録延期決議

世界遺産登録の審議で、より綿密な調査を要する場合や、推薦書の本質的な改定が必要な遺産に出される決議

  • 不登録決議

世界遺産委員会が審議によって、推薦遺産が世界遺産リストに記載するにはふさわしくないと判断した決議

  • ビューロー会議/世界遺産ビューロー

世界遺産委員会の会期中に必要に応じて開催される会議で、委員会の進行や作業日程の調整、決定などを行う

  • 世界遺産センター/世界遺産委員会事務局

ユネスコ本部内に常設された世界遺産委員会を補佐する事務局で世界遺産と世界遺産条約に関する活動を行う

  • 世界遺産基金

世界遺産条約締約国等からの拠出金や利子などを財源とする信託基金で、委員会が決定する目的に使用される

  • 国際的援助

世界遺産や暫定リストに記載された遺産の保全と管理についての保有国の取り組みを国際的に補助する仕組み

  • 緊急援助

国際的援助のうち優先順位が最も高く、例えば大規模な災害や事故、紛争で被害を受けた遺産に対して行う援助

  • 保全・管理援助

国際的援助のうち専門家や技術者の派遣、遺産の保護や保全に従事する専門家の育成、教育や広報の為の援助

  • 準備援助

国際的援助のうち優先順位が最も低く、世界遺産登録の為の事前調査への準備に関する支援などを行うもの

  • 世界遺産委員会諮問機関

ICCROM,ICOMOS,IUCNの3機関で、各専門分野について世界遺産条約履行に関する助言を行う

  • ICCROM/イクロム/

動産・不動産文化財の保全強化を目的に活動し、ユネスコと連携しながら文化遺産の保護を推進する国際機関

  • ICOMOS/イコモス/

歴史的な建造物や遺跡の保全を目的に、専門家が連携して活動し、文化遺産の調査や審査も行う非政府機関

  • IUCN/国際自然保護連合

自然環境の保護と持続可能な資源利用の推進を目的とし、専門的な調査や政策提言を行う国際的な自然保護団体

  • UNESCO/ユネスコ/国際連合教育科学文化機関

教育、科学、文化を通じて国際協力を促進し、世界の平和と福祉に貢献することを目的とした国連の専門機関

  • ユネスコ国内委員会

ユネスコの活動を日本国内で推進し、教育や文化、科学の発展を支援する為に設立された文部科学省の特別機関

  • 文化遺産

世界遺産のうち登録基準1〜6が認められる人類の歴史が生み出した記念物や建造物群、遺跡、文化的景観など

  • 自然遺産

世界遺産のうち、登録基準7から10が認められる地球の生成や動植物の進化を示す、地形や景観、生態系など

  • 複合遺産

世界遺産リストに記載された遺産のうち、自然遺産および文化遺産の両方の価値を兼ね備えているもの

  • 危機遺産

人間が関与できる脅威により重大かつ明確な危険に晒されており、危機遺産リストに記載されている世界遺産

  • 危機遺産リスト

重大かつ明確な危険に晒されており、世界遺産条約に基づく援助要請がある場合にその遺産を記載するリスト

  • 緊急的登録推薦

災害や紛争の被害などで危機的な状況にある遺産について、通常の手順を踏まずに世界遺産リストに記載する事

  • 負の遺産

近現代の戦争や紛争、人種差別など、人類が犯した非人道的な過ちを伝え、未来への教訓とする世界遺産の通称

  • 登録基準

10項目からなる顕著な普遍的価値の評価基準で、(ⅰ)から(vi)が文化遺産、(vi)から(x)が自然遺産に適用される

  • 登録基準(i)

人類の創造的資質や人間の才能を示す遺産に適用される基準で、産業遺産などの機能美にも適用される

  • 登録基準(ii)

文化の価値観の相互交流を示す遺産で、建築や記念碑の他、都市計画や景観設計、科学技術にも適用される基準

  • 登録基準(iii)

文化的伝統や文明が存在した証拠を示し、古代文明や人類史に残る帝国や時代などに関する遺産に適用する基準

  • 登録基準(iv)

建築様式や建築技術、科学技術の発展段階を示し、人類史上の代表的な出来事と関連する遺産に適用される基準

  • 登録基準(v)

独自の伝統的集落や人類と環境の交流を示す遺産で、自然との相互利用により形成された景観等に適用する基準

  • 登録基準(vi)

人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などと強く結びつき、無形の要素が重要となる遺産に適用される基準

  • 登録基準(vii)

客観的評価の難しい美的重要性などを含む自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産に認められる基準

  • 登録基準(viii)

地球の歴史の主要段階を示す遺産で、地層や地形だけでなく、恐竜や古代生物の化石遺跡にも認められる基準

  • 登録基準(ix)

進行中の生態学や生物学の代表例となる遺産が示す動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を評価する基準

  • 登録基準(x)

自然環境の変化や開発等の影響を受けやすい絶滅危惧種の生息域など、生物多様性を示す遺産で認められる基準

  • 真正性/真実性

その遺産の価値が、形状や意匠、素材、用途や機能などの点で文化的背景の独自性や伝統を継承していること

  • 真正性に関する奈良会議

木造建造物等の保存について国際社会の理解を深める為、日本が1994年に開催し、奈良文書を採択した会議

  • 奈良文書

真正性に関する奈良会議で採択され、真正性は文化や風土の多様性に合わせて柔軟な評価を必要とするとした文書

  • 完全性

顕著な普遍的価値を構成する全ての要素を含み、保護体制も整えられているという全世界遺産に求められる概念

  • 文化的景観

人間社会が自然環境による制約の中で影響を受け進化してきたことを示す自然と人間の共同作品に相当する概念

  • 文化的景観:意匠された景観

宗教的もしくは記念碑的建物などで構成された庭園や公園が含まれ、人間によってデザインされ創造された景観

  • 文化的景観:有機的に進化する景観

社会や政治、経済、宗教などに対応して生まれ、自然環境に対応しその関連性の中で形成された景観。

  • 文化的景観:関連する景観

自然要素がその地の民族に影響を与え、文化的要素よりも自然的要素が宗教、芸術、文化と強く関連する景観

  • グローバル・ストラテジー/世界遺産リストにおける不均衡の是正及び代表性、信用性確保のためのグローバル・ストラテジー

地域や文化遺産の内容など世界遺産リストの不均衡是正のため、選考基準や方法の見直し等を行う取り組み。

  • シリアル・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト

文化や歴史的背景、自然環境などが共通する複数の遺産を同様の価値を持つ1つの世界遺産として登録したもの

  • トランスバウンダリー・サイト

関係締約国の同意のもと国境を越えて登録されている世界遺産で、複数の国が共同で保護を行うもの。

  • MAB計画/人間と生物圏計画

人間の営みと自然環境の相互関係を理解し、環境資源の持続可能な利用と環境保全の促進を目的とする研究計画

  • 生物圏保存地域/ユネスコエコパーク

生物多様性を保全し、自然資源を活用した持続可能な経済活動を進めるモデル地域で、MAB計画で定める区域

  • バッファー・ゾーン/緩衝地帯

遺産の保護を目的として世界遺産の周囲に設定されるエリアで、利用や開発の規制によって、環境や景観などが守られる。

  • ユネスコエコパークの核心地域/コア・エリア

MBA計画で定める生物圏保存地域のうち、生物多様性を保全する区域そのもので、コア・エリアと呼ばれる

  • ユネスコエコパークのバッファー・ゾーン/緩衝地帯

生物圏保存地域のうち核心地域の周囲に設定されるエリアで生物多様性の保全を妨げる活動を制限している

  • ユネスコエコパークのトランジション・エリア/移行地帯

生物圏保存地域のうち、緩衝地帯の周囲に設定され保全を基調とした持続可能な社会経済開発が可能なエリア

  • ユネスコ世界ジオパーク

国際的に価値のある地質遺産を保護し、自然環境や地域の文化への理解を深め活用することを目的とした事業

  • 記憶の場

国家とその国民、少なくともその一部もしくはコミュニティが記憶に残したいと考える出来事が起こった場所

  • 世界遺産に関するブダペスト宣言

世界遺産の価値を守り、世界遺産が持続可能な社会の発展に貢献するため、2002年に採択された戦略目標

  • 5つのC

国際協力の下で世界遺産の顕著な普遍的価値を守り、世界遺産が持続可能な社会の発展に貢献する為の戦略目標

国際的に世界遺産を保護し、世界遺産が持続可能な社会の発展に貢献する為の戦略目標となる5つ基本原則

  • アテネ憲章

1931年に採択された憲章で、建造物や遺跡などの保存、修復に関する基本的な考え方を初めて示したもの

  • ヴェネツィア憲章

1964年に採択された憲章で、文化遺産の保護と真正性の価値を伝えるための修復方法の方向性を示している

  • 1954年ハーグ条約/武力紛争の際の文化財の保護に関する条約

武力紛争の際にも文化財を保護するため、軍事的に文化財を標的としないことなどの基本方針を定めた条約。

  • 公的又は私的の工事によって危機にさらされる文化財の保存に関する勧告

歴史的、芸術的に重要な文化財を、各国が社会変化との調和を図りながら保護する事を義務として求めた勧告

  • 文化財の不法な輸入、輸出及び所有権譲渡の禁止並びに防止の手段に関する条約/文化財不法輸出入等禁止条約

1970年に採択された保護管理体制の不備などにより盗難された文化財の密貿易などを禁止する条約

  • 国連人間環境会議

 国際的な環境問題に対する関心の高まりをうけて1972年に国際連合が開催した最初の環境問題に関する国際会議

  • 人間環境宣言/ストックホルム宣言

環境保全に関する諸原則について示した宣言で、環境の保護改善は人間のそもそもの義務であることを示している。

  • ウィーン・メモランダム

2005年にまとめられた歴史的都市景観や都市開発に関する原則や基準で、遺産を含む広域な景観も対象とする

  • 歴史的都市景観

歴史地区や関連建造物群などの概念を超えた広い都市の文化や歴史的、自然的な状況や地理的背景を含む範囲

  • 歴史的都市景観の保護に関する宣言

歴史的都市景観保全の観点から、世界遺産についてもその概念を推薦書等の保護計画に含む事を推奨したもの

  • プレリミナリーアセスメント

締約国が世界遺産リストへの推薦書提出前に諮問機関と協議を行い、諮問機関から事前評価を受けるプロセス

  • アップストリームプロセス

締約国が暫定リスト作成や事前評価の実施前に任意で行う、諮問機関との協議や分析、助言を受けるプロセス

  • 世界遺産におけるボン宣言

IS(イスラム国)や武装集団による文化財破壊への非難などを盛り込み、国際社会の協力を呼びかけた宣言

  • 登録推薦書

世界遺産登録のために締約国が世界遺産センター事務局に提出するもので、資産や保護管理に関する内容が含まれる

  • 専門調査

締約国が提出した推薦書が事務局で完全であると認められると実施される諮問機関による遺産に関する調査

  • 評価報告書

世界遺産委員会の6週間前までに、世界遺産センター事務局が締約国と世界遺産委員会に提出する審査結果と提言

  • 定期報告

締約国が自主的に世界遺産条約の履行の遺産の保全状況などを自己評価して、UNESCO総会に提出する報告

 

  • リアクティブ・モニタリング

脅威にさらされている特定の世界遺産の保全状況や対応について、締約国の協力を得て諮問機関などが行う報告

  • 遺産影響評価

世界遺産周辺の開発プロジェクトについて、実施判断を行う前に遺産の真正性に与える影響などを評価するもの

  • 保存管理計画

文化財を適切に保存・管理し、次世代に伝達していくため、基本方針や方法、変更の取扱基準などを策定するもの

  • 暫定リスト

潜在的なOUVがあり世界遺産に推薦する可能性があると締約国が判断した各締約国内の遺産リスト

  • 世界保全戦略

IUCNが地球の自然資源保全のため、1980年に作成した地球環境保全と自然保護のための指針を示すもの

  • アジェンダ21

1992年に開催された地球サミットで採択された、21世紀に向けた持続可能な開発のための行動計画

  • 産業遺産

産業が行われた建造物やインフラに加え、住宅や産業に関わる社会活動に使用された場所全てで構成されるもの

  • TICCIH/ティッキ/国際産業遺産保存委員会

ICOMOSにおける産業考古学に関する専門的アドヴァイザーで、産業遺産の世界遺産登録にあたっての評価も行う

  • ニジニータギル憲章

産業遺産は産業が行われた施設だけでなく、住宅や社会活動に使用された全ての場所で構成すると定義した憲章

  • ワシントン条約

絶滅の恐れのある野生動植物種の保護を図るため、野生動植物やはく製、加工製品の国際取引を規制する条約

  • レッドリスト

IUCNが世界中の野生生物の種と生息状況を調査し、絶滅の恐れのある生物種をリスト化して公表するもの

  • 絶滅危惧種

3世代もしくは10年以内に個体数が50%以上減少して、野生において非常に高い絶滅リスクに直面している種

  • 無形文化遺産

文化遺産の一部で、伝承される慣習や描写、表現、知識、技術またはそれに関連する器具や物品、文化的空間等

  • 無形文化遺産条約

世界遺産条約では直接的な保護の対象となっていない無形の文化遺産を保護し、次世代に伝えていくための条約

  • 世界の記憶

UNESCOがデータベース化した文化の記録で消滅の危機にある文書や書物、地図、映画フィルム、写真など

  • ラムサール条約/特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約

国際的に重要な水鳥の生息地である湿地の生態系と生物多様性を保護し、湿地を持続的に活用するための条約。

  • 生物多様性条約/生物の多様性に関する条約

個別の野生生物種や、特定地域の生態系に限らず、地球規模で生物多様性を考え、その保全を目指す国際条約

  • 文化多様性条約/文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約

文化多様性に関して拘束力のある国際法で、文化的表現の多様性を保護し、促進することなどを目的とした条約

  • 水中文化遺産保護条約

水中文化遺産の商業利用と移動の禁止を目的として、水中文化遺産を発見場所で保護することを原則とした条約

コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

未分類
ご無沙汰しています。

このブログの管理人のtomoです。 長らく更新が滞り申し訳ありません。 私ごとではありますが、202 …

未分類
8
お知らせ

お越しくださりありがとうございます。 突然ではありますが、こちらのブログは本日を持ちまして更新終了し …