
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
本日の世界遺産は、「アムステルダム」ともう一つ「ラ・ショー・ド・フォン/ル・ロクル」。
どちらも長い世界遺産名を持っています。
◆アムステルダム中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区
◆ラ・ショー・ド・フォン/ル・ロクル、時計製造都市の都市計画
これを覚えるのも一苦労といった感じです。
まずは、どんな世界遺産なのかみてみましょう。
本日もよろしくお願いします。
①アムステルダム中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区
オランダ王国
<文化遺産>
登録年:2010年
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
運河を活用した計画都市
アムステルダム中心部の街並は、中央駅を基点に環状運河が扇状に広がる他では見られない都市構造となっています。
このアムステルダムの運河が世界遺産に登録されています。
アムステルダムは運河に囲まれた低地ではありますが、水害に見舞われたことも殆どないそうです。
いっぽう港に面した中央駅の反対側は再開発が進み、アートのような集合住宅が建ち並ぶ景観となっているそうです。
アムステルダムの中心部にある環状運河地区は、16世紀末から17世紀初頭にかけて、新しい港湾都市プロジェクトとして運河網が整備されました。
運河間の泥沢地から排水して土地を開拓し、市街地を広げていきました。
運河はアムステルダム旧都市街から一番外側の運河である「ジンフェルグラハト」まで扇状に広がっています。
運河沿いには切り妻屋根をもつ均質的な建物が立ち並び、港から入った物資は運河を通って街の隅々にまで運ばれます。
アムステルダムの急速な拡大は、大規模な都市計画の見本として、19世紀まで世界の都市計画に影響を与えることとなりました。
②ラ・ショー・ド・フォン/ル・ロクル、時計製造都市の都市計画
スイス連邦
<文化遺産>
登録年:2009年
登録基準:(ⅳ)
時計製造に特化したユニークな都市計画
ラ・ショー・ド・フォンとル・ロクルは世界的に有名なスイスの時計産業を象徴する存在ともいえる2つの街です。
その街並は、住居と工房が互いに混ざりながら並び、通りと建物が整然と平行な列を成しているのが特徴です。

ラ・ショー・ド・フォンとル・ロクルは隣接した街で、時計製造という単一の工業に特化した、独自の都市開発を行ってきました。
19世紀初頭に始まった両都市の都市計画では、居住区とアトリエ地区を近接させることで、伝統的な時計職人の文化と、時計製造の効率性を両立させました。
この都市計画により19世紀末から20世紀にかけて、職人的な家内制手工業から工場制手工業への変革に適合しました。
ドイツ・プロイセン王国出身の哲学者であり経済学者、カール・マルクスは『資本論』で労働の分業についての考察で、ラ・ショー・ド・フォンにふれ、「工業都市」という用語を生み出しました。
ラ・ショー・ド・フォンとル・ロクルは一つの産業のために計画された街として希有な例であり、かつその伝統が受け継がれ今も時計産業が発展しているという点などが評価されています。
ラ・ショー・ド・フォンには、世界最高レベルの国際時計博物館があるそうです。
また、近代建築の父といわれ、世界遺産の建築を多く生み出した「ル・コルビュジェ」の故郷でもあります。
一説には、生まれ育ったこの町が珍しい計画都市だったことが、多くの都市計画をデザインすることになる彼の建築人生に影響を与えたのではないかといわれています。
③練習問題
[1]次の文中の空欄に当てはまる都市名として、正しいものはどれか(2ヵ所の空欄には同じ語句が入る)
( )の中心部は16世紀から17世紀初頭にかけて運河網が整備された。大規模な都市計画の見本として評価され『( )中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区』として世界遺産に登録されている。
①アムステルダム
②ブリュッセル
③ストラスブール
④ウィーン
[2]カール・マルクスが『資本論』で労働の分業についての考察で、工業都市」という用語を生み出したといわれる、ラ・ショー・ド・フォンが特化している工業として、正しいものはどれか。
①鉄鋼生産
②レアメタル製造
③製紙工業
④時計製造
④解答とエンディング
解答 [1]① [2]④
いかがでしたでしょうか。
世界遺産名は難しいものの、名前の中に遺産としての都市名や特徴が盛り込まれているという、学習者には意外と優しい世界遺産でしたね。
しかしながらアムステルダムはこんなにも美しい景色の街並みだったのですね。
また一つたびの目的が増えた記事でした。
ところで、世界遺産検定公式HPの『アムステルダム中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区』の記事が良かったので、リンクも貼っておきます。
是非ご一読ください。
ではまた明日もお待ちしています。
tomo
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