
本日はヨーロッパの建築様式についてのまとめです。世界遺産の学習には外せない知識のひとつです。
これまで学習してきた世界遺産の中から代表的なものを例に紹介しています。
また、建築の変革は、時代や産業などに大きく関わっています。
産業の流れと、建築の流れがマッチすると建築様式への興味が深まりそうです。
①産業革命の新素材
18世紀後半にイギリスで起こった産業革命は、綿工業における技術革新から始まり、各種産業へと広がっていった。
こうした産業革命の進展に不可欠であったのが、製鉄業の発展である。
1709年に石炭コークスを使う製鉄法が開発されると、18世紀後半には近代的な製鉄所が建設され、鉄の大量生産が可能になった。
鉄は橋梁や鉄道の敷設、船の造船などに用いられたほか、近代建築に欠かせない新素材として重視された。
②労働者階級の誕生と社会主義
産業が発展するなか、資本家たちが労働者に過酷な労働を強要するようになり、大きな社会問題となった。
一方で労働者の生活環境や労働待遇の改善、教育水準の向上などが労働効率を上げるとの考えから『ニュー・ラナーク』などの社会主義思想を実現する都市などがつくられた。
③近代化の建築技術
第二次世界大戦後の1950〜1960年代には、建築家の独創性が発揮されるようになった。
代表的なけんちくとしては、1960年に完成したブラジルの新首都『ブラジリア』や、貝殻のような独創的なデザインの『シドニーのオペラハウス』などがあげられる。
④ヨーロッパの建築様式
ビザンツ建築
ローマ建築の人々が集まる場所を起源とする「バシリカ式」、円形で各要素が中心へ向かう「集中式」など。
外観は質素だが、内部は豪華に装飾されている。

ロマネスク建築
バシリカ式を発展させたもの。
壁が厚く窓が小さい。
全体的に重厚な印象。
その後の聖堂建築の基本形と言われている。

ゴシック様式
高い天井と大きな窓で明るさを追求。
面よりも線を強調した鳥かごのようなフォルムが特徴。
ステンドグラスを使用し建物全体で美しく偉大な神の世界を表している。

ルネサンス建築
古代ローマやギリシャ建築をモチーフにしたもの。
円形、正方形、正多角形などの幾何学形が基調。
人文主義的な理想を追求した左右対称の造形もみられる。

バロック建築
凸凹を強調し、曲面を多用した過剰な装飾が特徴。
ポルトガル語の「バロッコ」(ゆがんだ真珠)が語源。
大航海時代を通じて南米にも影響を与えた。

ロココ建築
宮廷文化を背景に、外観よりも内装装飾に特徴のある様式。
貝殻や植物文様などをモチーフに、白や淡いブルーなど明るく優しい色彩を用いている。

近代建築
鉄やセラミックなどの新たな建築素材が誕生し、建築技術が進歩。
20世紀には、建築様式の多様化、装飾性を排した合理的な建築様式などが登場。

③本日の練習問題
世界遺産検定3級過去問題からの出題です
[1]以下の英文の空欄に当てはまる都市の歴史地区が世界遺産に登録されている。その都市として、正しいものはどれか
( ), which was known as Constantinople in olden times, is a historical city located on the border of Asia and Europe.
①Warsaw
②Istanbul
③Melaka
④Rome
[2]『ポツダムとベルリンの宮殿と庭園』に関し、フリードリヒ2世が夏の離宮として造営した宮殿として、正しいものはどれか
①アリー・カプー宮殿
②ベルヴェデーレ宮殿
③サンシース宮殿
④シェーンブルン宮殿
以下回答です
[1] ② [2] ③
いかがでしたか?
本日はヨーロッパの建築様式について、主な特徴についてみていきました。
似ているようで、少しずつ変化していった建築様式のようすがみえてきましたね。
建築様式からみていくと、また新しい視点で世界遺産について知識が深まりますね。
では、また明日もおまちしています。
tomo
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