世界の宗教④エローラーの石窟寺院群

世界遺産検定2級

この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

本日の世界遺産はインドにある石窟寺院群です。
仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の聖地だそうです。

本日もよろしくお願いします。

エローラーの石窟寺院群

インド
<文化遺産>
登録年:1983年
登録基準:(ⅰ)(ⅲ)(ⅵ)
3つの宗教が共存する寛容の聖地

『エローラーの石窟寺院群』はインドの中西部、アジャンターの何制約100kmの山地に位置しています。
ここでは、各時代ごとに築かれた仏教、ヒンドゥー教、*ジャイナ教の3つの宗教の石窟群が、南北2kmにわたり立ち並んでいます。

*ジャイナ教:マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の禁戒を厳守するなど徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。 「ジナ教」とも呼ばれる。

<仏教窟>
仏教窟は、南端の第1〜12窟にあたります。
5〜7世紀に造営されたインドでも最後にできた仏教窟であるそうです。

仏教窟には二種類の石窟があります。
ひとつはヴィハーラ窟で、エローラの仏教窟の大半がこの様式となっています。
ヴィハーラ窟は僧房や僧院のことで、修行僧がここで生活しながら瞑想を行いました。
瞑想室を中心として庫裏(台所)、寝室などの付帯設備が多いためヴィハーラ窟では階層構造の大きな窟が多くなっています。

もうひとつは仏塔(または堂塔)のあるチャイティヤ窟です。
チャイティヤ窟は石窟には菩薩と聖者を従えた仏陀の像が掘られており、現代の仏殿や本堂に当たる場所となります。

祈りを捧げるチャイティヤ窟である第10窟にはストゥーパの前には*仏倚座像ぶついざぞうを配した巨大な仏龕ぶつがんが設置されています。
第10窟はヴィシュヴァカルマ窟呼ばれ、一般的には大工の石窟といわれ仏教石窟の中でもっとも有名な石窟です。

*仏倚座像:台座、または椅子に座って両足を垂下させた像のこと

第10窟の仏倚座像

<ヒンドゥー教窟>
ヒンドゥー教窟は、仏教窟の北にある第13〜29窟に当たります。
これらが造られたのは7〜10世紀ごろと考えられています。

ヒンドゥー教石窟は掘削技術と美術的観点の二つの面からいくつかの異なる様式をみる事ができます。
これらの石窟は上から下に掘られているものが多く、いくつかの石窟寺院は非常に複雑で、完成には数世代の期間を要したと考えられています。

第16窟のカイラーサ寺院は、エローラ石窟寺院群のなかでも最大の規模を誇ります。
このヒンドゥー教寺院はひとつの岩からできた「石彫寺院」であり、幅は46m、奥行き80m、高さが34mあるそうです。

第16窟 カイラーサ寺院

黒光りする玄武岩の巨大な冠石かんむりいしをいただき、多種多様な神々や悪魔、空想上の動物などの彫刻が屋根や柱などを覆っています。
これらの彫刻は、のみと槌だけで掘られたものです。
古代インドの叙事詩『*マハーバーラタ』や『*ラーマーヤナ』の世界を描いています。
これらの遺構は、当時のインドの技術水準の高さを今に伝えています。

*マハーバーラタ:古代インドの宗教的、哲学的、神話的叙事詩。ヒンドゥー教の聖典のうちでも重視されるものの1つで、グプタ朝の頃に成立したと見なされている。
*ラーマーヤナ:古代インドの大長編叙事詩。ヒンドゥー教の聖典の一つであり、『マハーバーラタ』と並ぶインド2大叙事詩の一つである。サンスクリットで書かれ、全7巻、総行数は聖書にも並ぶ48,000行に及ぶ。

<ジャイナ教窟>
ジャイナ教窟は、最も北の第30〜34窟にあたり、8〜10世紀頃に造られています。
他と比較してそれほど大きくありませんが、繊細で複雑な構造を持ち、一種の芸術的作品となっています。
ジャイナ教徒はカイラーサ寺院に刺激されて、盛んに石窟寺院を造営しました。
しかしながらその多くの寺院が未完成のままで終わっています。

最も完成度が高いのは第32窟で、第33窟とともに重層構造となっています。
第32窟の石窟の中はジャイナ教の神殿となっており、天井には蓮の彫刻がみられます。

第32窟

同じインドにあるアジャンターの石窟寺院は8世紀以降廃墟になり、1,000年間発見されていませんでしたが、エローラーは忘れられることなく現在も巡礼者が訪れています。
3つの宗教が共存したこの石窟寺院群は、古代インドの寛容の精神を表しています。

英語で読む「エローラーの石窟寺院群」
Ellora is one of the largest rock-cut monastery-temple cave complexes in the world.
These 34 monasteries and temples, extending over more than 2km, were dug side by side in the wall of a high basalt cliff, not far from Aurangabad, in Maharashtra.
Ellora, with its uninterrupted sequence of monuments dating from A.D.600 to 1000, brings the civilization of ancient India to life.
Not only is the Ellora complex a unique artistic creation and a technological exploit but, with its sanctuaries devoted to Buddhism,Hinduism and Jainism, it illustrates the spirit of tolerance that was characteristic of ancient India.[和訳]
エローラーは世界で最も大きい石窟の修道院・寺院複合体のひとつである。
マハーラーシュトラ州のアウラ ンガーバードがそう遠くないところにあり、2km以上に渡って広がるこれらの34の修道院と寺院は、玄武岩の 高い崖の壁の中を横並びに掘られたものである。
紀元後600年から1,000年にかけてモニュメントが断絶する ことなく作り続けられたという一連の流れをもち、エローラは、古いインドの文明を生き返らせるものであ る。
特異な芸術的創造と技術的達成のみならず、仏教とヒンドゥー教、ジャイナ教に捧げられた聖地がある エローラの複合体は、古代インドの特徴であった寛容の精神を描き出すものでもある。

練習問題

[1]『エローラーの石窟寺院群』に関して、築かれた石窟寺院の3つの宗教に該当するものとして、正しくないものはどれか。

①ヒンドゥー教
②ゾロアスター教
③仏教
④ジャイナ教

[2]『エローラーの石窟寺院群』に関して、3つの宗教が共存した石窟寺院群にも表れている、古代インドの精神として、正しいものはどれか。

①寛容の精神
②耐忍の精神
③厳正の精神
④慈悲の精神

解答とエンディング

解答 [1]② [2]①

いかがでしたでしょうか。
私はインドに行ったことがないので、わからないのですが、インドはハマると繰り返し訪れる人もいるというのはよく聞く話ですね。
「寛容の精神」というのが、そのインドの持つ魅力を表す言葉なのかなと思ったりもします。
私自身のイメージはひとり旅で行くには危険な場所というのがあるのですが、一度行かない限りはわからないですね。
何れにせよ、インドには素晴らしい世界遺産がたくさんあることには間違いありません。

では、また明日もお待ちしています。

2級試験の受験は2021年の7月を目標にしています。
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