
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
本日は先史時代の世界遺産を3件学びます。
◆ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノス
◆タッシリ・ナジェール
◆ヴェゼール渓谷の装飾洞窟と先史遺跡
南米からヨーロッパまで多種多様です。
早速見ていきましょう。
①ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノス
アルゼンチン共和国
<文化遺産>
登録年:1999年
登録基準:(ⅲ)
無数の「左手の手形」が残された洞窟
アルゼンチン南部のサンタ・クルス州、ピントゥラス川流域の渓谷の洞窟が世界遺産に登録さえれています。
この洞窟には、先史時代に描かれたと推測される壁画が数多く残っています。
紀元前1万1000年頃から紀元後700年頃までの長い間、継続的に移住した住民により描かれたもので、約270mの範囲に点在しています。
なかでももっとも有名なのが、クエバ・デ・ラス・マノスと呼ばれる洞窟です。
「手の洞窟」を意味するクエバ・デ・ラス・マノスの内部には、壁に手をつき顔料を吹き付けて描かれた壁画が800以上確認されています。
手形のほとんどは左手で、右手の手形は36を数えるのみだそうです。
このことから、利き手で作業をしていたことが推察されます。
また、手形を印す行為は、成人の通過儀礼であったと考えられています。
②タッシリ・ナジェール
アルジェリア民主人民共和国
<複合遺産>
登録年:1982年
登録基準:(ⅰ)(ⅲ)(ⅶ)(ⅷ)
『タッシリ・ナジェール』は、アルジェリア南東部、サハラ砂漠最深部にある台地状の山脈です。
ここには紀元前8000年頃から描かれた岩絵約2万点が残っています。
現在では、侵食作用によってつくられた「岩の森」と呼ばれる景観が広がっています。
岩絵には狩猟や放牧などの場面が描かれており、この一帯がかつては緑豊かな地域であったことがうかがえます。
現在、周辺の荒々しい景観の景観美も遺産価値に含まれ、複合遺産となっています。
地名は「水流の多い台地」の意味ですが、現在は砂漠化が進みさらに近年の異常気象により、壁画面の変色などが進んでいます。
③ヴェゼール渓谷の装飾洞窟と先史遺跡
フランス共和国
<文化遺産>
登録年:1979年
登録基準:(ⅰ)(ⅲ)
フランス南西部のヴェゼール渓谷は40kmほどの広がりをみせる地域に点在する先史時代遺跡です。
ここには後期旧石器時代に*クロマニョン人が壁画を残した25の洞窟が点在しています。
アルタミラ洞窟壁画と並ぶ先史時代の美術作品といわれ、洞窟の側面と天井面に残された馬や山羊などの野生動物の生き生きとした姿は、在りし日の生活を彷彿させます。
*クロマニョン人:旧石器時代の新人。1868年にフランスのクロマニョンでその人骨化石が発見された
なかでも有名なラスコーの洞窟には、野生の馬、バイソン、サイ、シカなど、およそ100点の動物壁画が確認されています。
また、構成資産にはクロマニョン人の骨が発見されたアブリ・ドゥ・クロ=マニョンなどもあります。
先史時代の人々の生活の場となった洞窟などが次世代に受け継ぐべき世界遺産として認められています。

ラスコーの洞窟は、壁画の損傷を防ぐ目的から研究以外の立ち入りは禁止されています。
現在はラスコー壁画を忠実に再現したラスコーⅡが近くにつくられ、一般に公開されています。
④練習問題
[1]『ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノス』に関する、次の文章の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
ピントゥラス川流域の渓谷や洞窟には、先史時代に描かれたとされる数多くの壁画が残る。なかでも( )を意味するクエバ・デ・ラス・マノスには、800以上もの手形が壁画として残されている。
①祈りの洞窟
②幸せの洞窟
③手の洞窟
④嘆きの洞窟
[2]次の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
フランス南西部のヴェゼール渓谷には、後期旧石器時代に( )が壁画を残した25の洞窟が点在している。
①アウストラロピテクス・アファレンシス
②ジャワ原人
③クロマニョン人
④ネアンデルタール人
⑤解答とエンディング
解答 [1]③ [2]③
いかがでしたでしょうか。
人類の誕生から、進化をしていく過程というのが徐々に明らかになっていくような世界遺産ですね。
何千年とか、何万年とか長い時間の中で少しずつ人類が変化していったんだなと改めて思います。
それに比べると、現代の世の中の発展と進化には目を見張るものがありますね。
では、また明日。
tomo
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