日本の遺産⑥合掌造り集落

世界遺産検定2級

この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

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伝統的集落(白川郷・五箇山・アルベロベッロ)
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白川郷・五箇山の合掌造り集落

本日の学習は、伝統の集落『白川郷・五箇山の合掌造り集落』です。
2級の学習では3級までの知識をさらに掘り下げていくことになります。
各集落の共通点や相違点にも着目しています。

①基本情報

『白川郷・五箇山の合掌造り集落』

岐阜県・富山県
<文化遺産>
登録年:1995年
登録基準:(ⅳ)(ⅴ)
豪雪地帯における伝統的集落

岐阜県大野郡にある白川村荻町(白川郷)と富山県南砺市の相倉と菅沼(五箇山)は、江戸末期から明治時代に建てられた伝統的な合掌造り家屋が多くのこる集落です。
世界遺産に登録されているのは
・白川村荻町の合掌造り家屋113棟のうちの59棟
・菅沼の9棟
・相倉の20棟
となっています。

この地域は岐阜県北部および富山県西部を流れる一級河川である庄川流域に位置しており、急傾斜の山と谷に囲まれています。
そして日本有数の豪雪地帯ということもあり、かつては周辺地域と隔絶されていました。
そのため家屋の建築様式から産業、家族制度にいたるまで独自の生活文化が育まれました。

②伝統集落の特徴

<茅葺き屋根の合掌造り家屋>
合掌造り家屋の最大の特徴である茅葺の大屋根は、積雪を防ぐために45〜60度の傾斜を持っています。
また、雪の重みや風の強さに耐えるための部材の結合には釘などの金属を一切使用せず、縄で縛って固定する工法が取られています。
このように、厳しい自然環境から家屋を守るための工夫が随所に施されています。

<大家族制>
家屋の構造は3〜5階建となっており、一般の日本の家屋と比べると規模の大きい造りとなっているのも特徴です。
その要因の一つには、この地に農耕に適した土地が少ないことが挙げられます。
そのため、農地の分散を避けるため、明治期までは住民20〜30人で暮らすという大家族制が守られていました。

そして、この家屋内の空間を利用して行われていた養蚕や紙漉(かみすき)、塩硝(火薬の原料)の生産など家内制手工業が、農耕に代わる貴重な収入源でもありました。

③それぞれの集落の共通点・相違点

同じ合掌造り集落の中でも、第集落である白川郷、五箇山の相倉は中集落、そして菅沼は小集落、といったように、規模の異なる集落が世界遺産に登録されており、それぞれの集落で共通性と独自性を確認することができます。

<共通点>
3つの集落の共通点の一つには」と呼ばれる相互扶助組織があります。
白川郷、五箇山はともに、伝統的に隣人同士の結束は強いものでした。
これは浄土真宗への信仰心がもとになっていると言われますが、厳しい自然環境というのが大きく作用しています。

豪雪地帯では家族だけでは生活が成り立ちにく、これにより結による協力体制が発展していきました。
特に茅葺き屋根の保全・補修には多くの人手が必要となります。
そのため、30〜40年に一度行われる葺き替えに際しては、この結という組織は必要不可欠でした。
白川郷では、100〜200人が総出で、1日で葺き替え作業を終わらせたそうです。

<相違点>
集落の相違点としてはいくつかの家屋の特徴があります。
まずは、家屋の屋根の煙抜きの有無で、五箇山の屋根には煙抜きが設けられていますが、白川郷ではこの煙抜きがみられません。
この煙抜きは雪下ろしの際に邪魔になり、また屋根の水はけが悪く茅の葺き替えサイクルを短くしなくてはならないという欠点があります。
五箇山の集落では1年中暖炉裏の火を絶やさないため、煙が室内に充満するのを防ぐため煙抜きが必要なのだそうです。

また、外観にも多少の違いがあります。
入口については、白川郷では屋根がある側に入口を持つ「平入り」が主流となっていますが、反対に五箇山では切り妻側に入口を持つ「妻入り」の家屋が多くなっています。
妻入りは特に菅沼でみられるようで、庇(ひさし)をつけた入り母屋風の外見の家屋が一般的となっています。

五箇山の合掌造り家屋の例(菅沼)

建築の用語が多くて少しわかりにくいですね(汗)
入母屋屋根というのは、上部が切妻になっていて、その四方に庇屋根を付けた屋根形状のことだそうです。
伝統的な社寺や城で見かけるような。イメージとしてはこんなようです。

④練習問題

[1]『白川郷・五箇山の合掌造り集落』の説明として、正しいものはどれか。
①この地域では農地の分散をさけるため、明治期まで大家族制が守られていた
②山間地帯で宗教が根付かなかったこともあり、隣人同士の結束力が弱かった
③村内の一ヵ所の家屋に集まり共同作業を行い、工場制手工業の先駆けとなった
④合掌造りの家屋の屋根は傷みやすいため、毎年葺き替えが行われている

[2]『白川郷・五箇山の合掌造り集落』に関する次の文中の語句で、正しくないものはどれか。
(①日本有数の豪雪地帯)である白川郷や五箇山にある合掌造り家屋は(②内部に高い吹き抜け空間を持つ)のが特徴である。この一帯では隣人同士の強い結束力のもと、(③「結」と呼ばれる相互扶助組織)が機能してきた。合掌造り家屋の維持や補修には大きな費用と人手を要したが、こうした組織により(④茅葺き屋根の葺き替え)などが行われてきた。

①日本有数の豪雪地帯
②内部に高い吹き抜け空間を持つ
③「結」と呼ばれる相互扶助組織
④茅葺き屋根の葺き替え

⑤解答とエンディング

解答[1]① [2]②

いかがでしたでしょうか。
合掌造り集落にも、それぞれ特徴があるというのは初めて知りました。
建築の用語などは難しいですが、過去問題を中心に必要なところを理解していけば問題はないと思います。

では、また明日もお待ちしています。

tomo

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