日本の遺産⑬原爆ドーム

世界遺産検定2級
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この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

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第二次世界大戦の傷跡(原爆ドーム・アウシュビッツ)
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広島平和記念碑(原爆ドーム)

本日の学習は『広島平和記念碑(原爆ドーム)』です。
毎年夏になると終戦の催しが行われる広島の世界遺産です。
「負の遺産」としての歴史と、意味合いをしっかりと理解していきましょう。

①基本情報

『広島平和記念碑(原爆ドーム)』

広島県
<負の遺産・文化遺産>

登録年:1996年
登録基準:(ⅵ)
原爆の悲劇を語り継ぐ平和のシンボル

『広島平和記念碑(原爆ドーム)』は、「負の遺産」に位置付けられ、人類史上初の原子爆弾投下がもたらした未曾有の惨禍を後世に伝えています。

①歴史

現在「原爆ドーム」と呼ばれている建物は、1915年にチェコの建築家ヤン・レツルによって建てられました。
ネオ・バロック様式と*ゼツェッション様式の混在したレンガ造りで、地下1階から地上3階まである建物でした。
中央にドームが設けられ、5階建ての階段室を持つモダンな姿は、当時の広島市民に親しまれました。

* ゼツェッション様式:「分離」を意味する。過去の芸術様式から分離して、生活や機能と結びついた新しい造形芸術の創造をめざした。

当初「広島県物産陳列館」として開館し、その後「広島県立商品陳列所」と改称された歴史を持ちます。
第二次世界大戦当時には「広島県産業奨励館」と呼ばれていました。

1945年8月6日午前8時15分、アメリカの爆撃機エノラ・ゲイにより投下された原子爆弾「リトルボーイ」が、産業奨励館の南東約160メートル、高度約580メートルで炸裂しました。

この原子爆弾により発生した火球による強力な熱線と爆風により、広島の街は一瞬にして破壊されました。

産業奨励館も大部分が崩落しました。
しかし衝撃波をほぼ真上から受けていたため、ドーム部分の鉄筋の骨組みと壁の一部が残されていました

②永久保存

原子爆弾の投下から2年後、当時の市長であった浜井信三氏が、第一回平和祭で次のような家は宣言を行いました。
「この恐るべき兵器は耐久平和の必然性と真実性を確認せしめる『思想革命』を招来せしめた。
すなわちこれによって原子力を持って争う世界戦争は人類の破滅と文明の終末を意味するという真実を世界の人々に明白に認識せしめたからである。
これこそ絶対平和の創造であり、新しい人生と世界の誕生を物語るものでなくてはならない。」

産業奨励館は廃墟となり、その建物は「原爆ドーム」と呼ばれるようになりました。
崩壊の危険性に加え、悲惨な出来事を思い出したくないと言う意見もあり、取り壊しが検討されました。
しかし、被爆の惨状を後世に伝えるための保存運動が起こり、1966年に広島市議会は原爆ドームの永久保存を決定しました。

③世界遺産登録

日本が世界遺産条約を締結した1992年以降、原爆ドームを世界遺産にしようとする世論が盛り上がりました。
1994年には国会請願が採択され、翌年には国の史跡に指定されました。

日本政府に推薦された原爆ドームは、1996年の第20回世界遺産委員会で登録が審議されました。
アメリカと中国により戦争に関する遺産の登録について懸念する声明が出されましたが登録決議には反対せず、ついに世界遺産登録が実現しました。

「原爆ドーム」は、核兵器廃絶と世界恒久平和という「ヒロシマの願い」を発信しつづける世界的なモニュメントとなり、現在も原爆の悲惨さを伝え続けています。

④練習問題

[1]『広島平和記念碑(原爆ドーム)』の説明として、正しいものはどれか。

①被爆前は広島県庁として使用されていた
②戦後、悲惨な記憶を思い出したくないという意見があり取り壊しも検討された
③日本最初の世界遺産である
④世界遺産登録と同時に、広島市議会が永久保存を決定した

[2] 『広島平和記念碑(原爆ドーム)』が被爆した際の状況として、正しくないものはどれか。

①爆心地からおよそ2km離れた場所に位置していた
②原子爆弾「リトルボーイ」が投下された
③第二次世界大戦時には「広島県産業奨励館」と呼ばれていた
④被爆後にドーム部分の鉄筋の骨組みと壁の一部が残った

[3]「世界遺産条約」の説明として、正しいものはどれか。

①世界遺産を保護・保全する義務や責任は先ずユネスコにあることを定めている
②世界遺産は社会生活の中での活用を制限するべきだという方針を示している
③世界遺産基金の設立を定めている
④10項目の登録基準を定めている

[4]「世界遺産条約」に関連する出来事が起こった順番に並べたものとして、正しいものはどれか
A.ユネスコの世界遺産センターの設立
B.ヌビアの遺跡群救済キャンペーンの展開
C.ユネスコ憲章の採択
D.国連人間環境会議の開催

①C ⇒ A ⇒ D ⇒ B
②C ⇒ B ⇒ D ⇒ A
③D ⇒ B ⇒ C ⇒ A
④D ⇒ C ⇒ A ⇒ B

⑤解答とエンディング

解答 [1]② [2]① [3]③ [4]②

いかがでしたか。
本日は過去の復習として「世界遺産条約」や「登録」に関連するリンクを貼っておきます。
記憶が薄まっている方は思い出しておきましょう。
基礎知識①世界遺産と世界遺産条約
基礎知識②世界遺産誕生までの流れ
基礎知識③世界遺産の登録条件・登録基準

本日は原爆ドームこと広島平和記念碑について学びました。
日本でしか残し得ない原子爆弾の悲惨さを伝える遺産は、世界の中でも貴重で重要なものであることは間違いありません。この記事を書いているのも偶然ではありますが、8月6日です。
原爆ドームの記事を書くたびに世界遺産を学ぶ意味を考えさせられています。
間も無く終戦記念日を迎えますが、日本人として自分自身がこの歴史や世界遺産について伝えられる人でありたいと思います。

では、また。

tomo

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