日本の遺産③富岡製糸場

世界遺産検定2級

この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

3級の学習はこちら
富岡製糸場(海外と日本の養蚕技術の融合)
4級の学習はこちら
絹産業(富岡製糸場と絹産業遺産群・リヨンの歴史地区)

本日学習するのは『富岡製糸場と絹産業遺産群』です。
構成資産が4資産と学習者に優しくなっていますので、それぞれの構成資産が何に使用されていたのかを抑えていきましょう。

①基本情報

『富岡製糸場と絹産業遺産群』

群馬県
<文化遺産>
登録年:2014年
登録基準:(ⅱ)(ⅳ)
製糸産業における技術交流と技術改革の場

『富岡製糸場と絹産業遺産群』は明治期の日本における技術革新と近代化を示す世界遺産です。
富岡製糸場は、日本初の官営器械製糸場で、西欧の技術を取り入れ、技術者を養成することで日本の絹産業の近代化を牽引しました。
構成資産は4つ
・富岡製糸場
・田島弥平旧宅
・高島社跡
・荒船風穴

②歴史と構成資産

江戸時代の末期に鎖国政策を終えた日本は、伝統的に生産されてきた生糸を輸出品として貿易に力を入れようとしました。
ですが、需要の増加に対して品質の基準を満たす生糸の生産が追いつかない状態となりました。
明治政府は、「殖産興業」による「富国強兵」を掲げており、生糸に関しては引き続き主要な輸出品であると位置づけ、その品質改良と生産性の向上を目指し、技術革新に取り組みました。

生糸生産における技術革新の中で、新たな製糸場の建設が必要とされました。
官営工場の建設と最新の器械製糸技術を導入すべく、当時高い製糸技術をもっていたフランスから技師ポール・ブリュナが招聘されました。
工場の建設地には広い土地と豊かな水を誇り、養蚕産業も盛んであった富岡が選ばれました。

<製糸場の建設>
工場の建設には日本の伝統技術も取り入れられ、日本古来の木造の柱からなる骨組みに西欧由来のレンガを組み合わせる木骨レンガ造りなど、和洋折衷の建築様式となりました。

また、三角形の屋根組を持つトラス構造が採用され、少しでも多くの操糸器を工場内におけるように中央に柱のない広い空間を確保する工夫がされました。

富岡製糸場は1872年に操業を開始すると、高品質な生糸を輸出し世界中から高い評価を得ました。

<工女の働き>
近代的な設備と技術を用いて、良質な繭から生糸を生み出していったのは製糸場で働く工女たちでした。
工女たちの労働環境にも配慮されており、工場で働く女性たちが日本全国から集められました。
多くは全国の士族の子女で、製糸技術を身につけた工女たちはやがて、各地に戻り指導者として製糸の技術指導を行いました。

<養蚕技術>
富岡製糸場が稼働し始めた同じ頃、周辺の地域では養蚕技術の研究が進められていました。
養蚕農家の田島弥平が自然の通風を重視した養蚕法である「清涼育(せいりょういく)」を確立しました。
越屋根をもつ「田島弥平旧宅」は、近代養蚕農家建築の原点とされています。

画像は文化遺産オンライン(HP)から引用させていただいています。

養蚕業者であった高山長五郎は、温度と湿度を管理する養蚕法である「清温育(せいおんいく)」を確立し、生家である「高山社跡」で研究と指導を行いました。

<繭の増産>
こうした技術革新により、製糸業が発展すると、次は繭の増産と安定供給が求められるようになりました。
全国的に蚕種(蚕の卵)の貯蔵には、天然の風穴(ふうけつ)の冷風を利用することが行われていました。
そして、国内最大規模の蚕種貯蔵施設として「荒船風穴」が作られました。

③世界遺産としての評価

富岡製糸場とこれらの施設は技術交流を行うことで養蚕技術を発展させ、高品質の生糸を輸出する日本は20世紀初頭には、世界一の生糸輸出国となりました。
日本が開発した生糸の大量生産技術は、かって一部の特権階級のものであった絹を世界中の人々に広め、その生活や文化をさらに豊かなものにしました。

富岡製糸場と3つの関連遺産は、西欧から東アジアへ計画的な技術移転が行われ、日本で改良・発展した製糸技術が服飾産業や文化に大きな影響を与えた点が評価されました。

④練習問題

[1]『富岡製糸場と絹産業遺産群』の構成資産に含まれる「富岡製糸場」の創建時の説明として正しくないものはどれか。

①高い製糸技術を持つフランスから、技師が招聘された
②工員として、全国の士族の子女が集められた
③敷地内に、養蚕法の研究と指導を行う高山社が置かれた
④製糸場は三角形の屋根組を持つトラス構造を採用した

[2]『富岡製糸場と絹産業遺産群』に含まれる、温度と湿度を管理する養蚕法「養温育」を確立した場所である構成資産として、正しいものはどれか。

①富岡製糸場
②高山社跡
③田島弥平旧宅
④荒船風穴

[3]『日光の社寺』に含まれる山内の建造物に関し、明治政府による神仏分離令の内容として、正しいものはどれか。

①すべて東照宮の管理下におかれた
②すべて輪王寺の管理下におかれた
③東照宮、二荒山神社、輪王寺の2社1寺に分けられた
④東照宮、東寺、輪王寺の1社2寺に分けられた

⑤解答とエンディング

解答:[1]③ [2]② [3]③

いかがでしょうか。
昨日の学習範囲である『日光の社寺』からも出題しました。

3級までの学習とは違う切り口での問題が出題される印象の『富岡製糸場と絹産業遺産群』ですが、今日の記事の内容を通して、それぞれの構成資産についての知識と理解が深まればと思います。
2つある養蚕法の違いも覚えておかなければいけませんね。

では、また。

tomo

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