
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
本日は、世界中の公共住宅の先駆け的な集合住宅、そして理想の工場と呼ばれる工業建築について学びます。
今回もどちらもヨーロッパの世界遺産です。
では、楽しみながら学びましょう。
よろしくお願いします。
①ベルリンのモダニズム公共住宅
ドイツ連邦共和国
<文化遺産>
登録年:2008年
登録基準:(ⅱ)(ⅳ)
世界中の公共住宅のモデルとなった集合住宅

ドイツの首都ベルリンには、20世紀前半のヴァイマール共和国時代に建設された近代的な公共住宅群が残っています。
世界遺産に登録されているのはそのうちの6棟です。
ドイツの世界遺産としては、「ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」や「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」の第12採掘坑などに続く、モダニズム建築の世界遺産となっています。
集合住宅は公的な要請に基づいて建てられたものでした。
この集合住宅群は、低所得層の住宅改善を目的とした住宅供給政策の産物です。
これらの建物は、ブルーノ・タウトやマルティン・ヴァグナー、ヴァルター・グロピウスといった一流の建築家たちが手がけました。
都市計画や建築手法、公園設計などの点で斬新なアプローチがなされています。
これらは世界中の公共住宅のモデルとなりました。
<構成資産>
ガルテンシュタット・ファルケンベルク
ジードルング・シラーパーク
グロースズィードゥルンク・ブリッツ
ヴォーンシュタット・カール・レギーン
ヴァイセ・シュタット
グロースジードゥルンク・ジーメンスシュタット
②ファン・ネレ工場
オランダ王国
<文化遺産>
登録年:2014年
登録基準:(ⅱ)(ⅳ)
明るく快適な「理想の工場」
1920年代にロッテルダム北西に建てられたファン・ネレ工場は、「理想の工場」を標榜して設計された20世紀を代表する工業建設です。
1995年まで操業されていたたばこ、コーヒー、紅茶の製造工場でした。
1925年から1931年に建設された初期の工場施設群は「オランダ機能主義建築の最高傑作」、「オランダ近代建築史上ひいては近代建築史上を飾る代表作のひとつ」、「20世紀前半における近代主義・機能主義の象徴」などと評されています。
鋼鉄とガラス製の巨大なカーテンウォールは採光に優れており、暗くなりがちな工場の労働環境を明るく快適にしました。
快適な環境と効率的な生産・輸送を可能にするインフラによって、両対戦間期(第一次世界大戦〜第二次世界大戦)におけるモダニズムと機能主義文化を象徴する工場とされます。
工場ではコーヒーや紅茶、タバコなどを熱帯地域から輸入し、生産加工と包装を行い、ヨーロッパ各国へと輸入していました。
歴史的に経済大国であったオランダの長きに渡る商業・産業の伝統と発展を示しています。
③練習問題
[1]『ベルリンのモダニズム公共住宅』に関して、建築を手がけた建築家のひとりとして、正しいものはどれか。
①ミース・ファン・デル・ローエ
②オスカー・ニーマイヤー
③ブルーノ・タウト
④J.オゴルマン
[2]『ファン・ネレ工場』に関する次の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
1920年代にロッテルダム北西に建てられたファン・ネレ工場は、「( )」を標榜して設計された20世紀を代表する工場建築。
①斬新な工場
②改革の工場
③曲線の工場
④理想の工場
④解答とエンディング
解答 [1]③ [2]④
いかがでしたでしょうか。
本日は、現代の先駆けとなった集合住宅と工業建築でした。
特に、一つ一つの構成資産の名前を覚える必要はひとまずはなさそうですので、大枠で押さえておけば良さそうです。
では、明日もお待ちしています。
tomo
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