固有の生態系(小笠原諸島・ガラパゴス諸島)

世界遺産検定3級
2

本日は、独特の生態系を持つ世界遺産です。

小笠原諸島は日本の首都に属する自然遺産です。東京に自然遺産?と一見驚いてしまいますが、実際はずっと南の太平洋にある島です。
ガラパゴス諸島と同様に簡単に訪れることのできる場所ではありませんが、人が持ち込んだ外来種により本来の生態系が崩れてしまうという問題も抱えた自然遺産です。

地球や生物の歴史を知る上で重要な、この世界遺産について学びたいと思います。

4級の学習はこちら

①小笠原諸島(東京都)

登録年:2011年
登録基準:(ⅸ)
隔離された世界での独自の生態系

小笠原諸島は東京都に属し、日本列島から南へ約1000km離れた太平洋場に位置する。
世界遺産には小笠原諸島の陸域(父島と母島の集落近郊、硫黄島、沖ノ鳥島、南鳥島は除く)と、南島周辺などの海域が登録されている。

南島の洞門と扇池

小笠原諸島は小笠原群島と火山列島からなる。
小笠原群島は太平洋プレートがフィリピン海プレートの東端に沈み込むことによってできた海洋島で、大陸と陸続きであったことがなく「海洋性島弧」と呼ばれる。同じく大陸とつながったことのないハワイ諸島やガラパゴス諸島は火山島で、島の成り立ちが異なる。

小笠原諸島のような大陸から離れた島々では、動植物が島にたどり着き定着することが難しいため、固有の生態系を見ることができる。
小笠原で独自の進化をとげた動植物の中でも、陸産貝類(カタツムリの仲間)や一部の植物については高い固有率を誇る。カタマイマイ属などに代表される陸産貝類の固有率は約95%ともいわれ、現在でも新種が発見されている。
このように、異なる自然環境に適応するために、単一の祖先から様々な種に分化していくことを適応放散という。

一方で、島に持ち込まれた外来種の動植物が繁殖することによって生態系の破壊が危ぶまれており、ペットや家畜として島に持ち込まれたヤギやブタのほか、グリーンアノールという北米産のトカゲが小笠原の固有種であるチョウやトンボなどを絶滅に追い込んでいることが問題視されている。

グリーンアノール

 

英語で読む世界遺産

The Ogasawara Islands are located in the Pacific Ocean about 1,000 km south of Tokyo metropolitan area.
As they have never been connected to any continent, a unique ecosystem can be observed where flora and fauna have been evolving on their own to survive in a unique ecosystem.

 

②ガラパゴス諸島(エクアドル共和国)

登録年:1979年/2001年範囲拡大
登録基準:(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)
独自の進化をとげた動物が暮らす火山群島

世界で最初に登録された世界遺産のひとつでもあるガラパゴス諸島は、大小19の島と多くの岩礁からなる火山群島である。
この諸島は大陸から西に1,000Kmほど離れており、また大型の肉食哺乳類も存在しなかったため、島ごとに異なる生態系がつくられた。

イギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンは、島の名前の由来にもなったゾウガメ(スペオン語でガラパゴ)やウミイグアナ、フィンチなどを観察し、進化論のアイデアを得て『種の起源』を著した。

この島の多くの爬虫類や野鳥類、魚類が生息し、周辺海域でも多様な海洋生物がみられる。
しかし、人間が足を踏み入れて以降、家畜をはじめとする外来種が島の生態系を狂わせ、海洋生物の乱獲、都市化なども相まって環境破壊が進行した。
2007年には危機遺産に登録されたが、エクアドル政府は環境保全計画をたて、2010年には危機遺産リストから脱した

『種の起源』

ダーウィンが1859年に発行した書物。生存競争の結果、生活条件に適したものが生き残り、その過程で変異が積み重ねられて生物は進化してきたとされる。
この考えは論争を引き起こし、当時の宗教界や社会科学、尋問科学にまで影響を与えた。

③本日の練習問題

世界遺産検定3級からの問題です。

[1]『小笠原諸島』で高い固有率をほこる陸産貝類の一種として、正しいものはどれか

①アコヤガイ属
②タニシ属
③オカダンゴムシ属
④カタマイマイ属

[2]『小笠原諸島』の生態系を破壊しているとして問題視されている外来種のトカゲの名称として正しいものはどれか

①グリーンイグアナ
②グリーンアノール
③チチジマカタマイマイ
④ヒロベソカタマイマイ

[3]『小笠原諸島』に生息する陸産貝類などでみられる、異なる自然環境に適応するために、単一の祖先から様々な種に分類していく現象として、正しいものはどれか

①突然変異
②適応放散
③自然淘汰
④防衛機制

[4]『ガラパゴス諸島』に関する以下の文中の語句で、正しくないものはどれか
イギリスの博物学者(①チャールズ・ダーウィン)は、『ガラパゴス諸島』のゾウガメやウミイグアナなどを観察し、後に(②『動物誌』)を著した。貴重な生態系がみられる島であったが、人間が上陸して以来、(③外来種による被害や都市化など)により生態系の乱れや環境破壊が進み、2007年に危機遺産に登録された。2018年12月現在の状況は(④危機から脱している)。

①チャールズ・ダーウィン
②『動物誌』
③外来種による被害や都市化など
④危機遺産から脱している

[5]「危機遺産」の説明として、正しいものはどれか

①世界遺産条約で正式に定義されたものではない
②危機遺産に10年以上登録された場合、世界遺産の登録を抹消される
③危機遺産を持つ国は、適切な保全計画を立てて実行する必要がある
④危機遺産の登録は、保有国からの申請が必要である

以下回答です

[1] ④ [2] ② [3] ② [4] ② [5] ③

危機遺産についての学習はこちら

 

いかがでしたか?
本日は広い海の上の島で固有の生態系が生み出された、そんな自然遺産について学びました。
『ガラパゴス諸島』については、危機遺産から脱したとはいえ、観光地化も日々進んでいると思うので、今後も保全活動をしっかり続けていただきたいですし、もし自分が訪れることがあれば、最新の注意を払って上陸しなければと思います。

ではまた明日もお待ちしています。

tomo

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