基礎知識⑤世界遺産基金・観光

世界遺産検定2級
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この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

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本日の記事は世界遺産基金に関することや、日本と世界遺産との関わりに関することです。
2級の試験ではさほど問われることのない範囲ではあるので、ポイントを押さえる程度で良いと思います。
練習問題に関してはここまでの復習をメインに出題します。

①世界遺産基金

世界遺産基金は世界遺産の価値を伝えていくために、ユネスコの財政規則に基づく信託基金として設立された。
世界遺産条約において、世界遺産条約締結国の分担金(ユネスコ分担金の1%)や政府機関、団体、個人などから寄付金をもとに運営されている。
世界遺産基金は、世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用することができる。

大規模な災害であったり、紛争などによる被害に対しての「緊急援助」や、推薦書や暫定リストを作成するための「準備援助」、専門家や技術者の派遣や保全に関する技術提供のための「保全・管理援助」、専門家や技術者の派遣や保全に関する技術提供のための「保全・管理援助」などがそれに当たる。

ユネスコ分担金の最大拠出国であったアメリカ合衆国が、パレスチナのユネスコ加盟に反対して2011年10月から分担金支払いを停止していることもあり、世界遺産基金も遺産の保護に充分な資金を回すことができない厳しい予算状況にあるのが現状のようです。
また、アメリカ合衆国はユネスコがパレスチナ問題においてイスラエルに対し偏見のある姿勢を取ったと主張して、イスラエル国とともに、2018年末付でユネスコ脱退しています。
財政的に厳しい状況というのはしばらく継続しそうです。

②日本と世界遺産

日本が世界遺産条約を締結したのは1992年と、先進国では遅い時期で締約国としては125番目となりました。
ただ、1951年、日本が第二次世界大戦後に加盟した最初の機関はユネスコで、1972年に世界遺産条約がユネスコ総会で採択された時の議長国は日本でした。

また、日本はアメリカ合衆国に次ぐユネスコ分担金拠出国でありましたが、アメリカ合衆国がユネスコを脱退している現時点においては、日本が最大のユネスコ分担金拠出国となっており、世界遺産条約を裏から支えていると言っても過言では無さそうです。

世界遺産登録を目指す日本の文化財や記念物は、文化財保護法などの保護下にあるものは文化庁が、稼働中の産業遺産などを含むものは2013年より内閣官房がそれぞれ暫定リストの中から推薦候補を決定しています。
また日本の自然遺産については、環境省と林野庁が協議して推薦候補を決定しています。

それぞれの推薦候補の中から毎年9月ごろに開催される「*世界遺産条約関係省庁連絡会議」でユネスコの世界遺産センターへ推薦する候補が選出されています。
また、推薦書の提出については、推薦書提出の直前に閣議了解され決定されているそうです。

*世界遺産条約関係省庁連絡会議:外務省、文化庁、環境省、林野庁、水産庁、国土交通省、宮内庁、内閣官房、経済産業省で構成される。

③世界遺産と観光

日本に限らず観光名所の多くは世界遺産に登録されており、世界遺産と観光は切り離すことはできません。
世界遺産登録され世界中から人々が訪れるということ自体は、ユネスコ憲章に謳う「相互理解」や「多文化理解」につながることが期待されます。
しかしその反面、遺産を保護・保全し次の世代へと引き継いでゆくという世界遺産としての考え方と、現状の観光のあり方との間には相容れない点があることも否めません。

文化遺産においては、人々の生活と密着した旧市街や伝統的集落であったり、現在も信仰の対象となっている教会や寺院などは、観光客が訪れることにより生活文化や信仰形態が乱されることが少なからずあり、「世界遺産観光」のマイナス面が指摘されることも多くなっています。

また、自然遺産の場合は「手付かずの自然」を保ってきた場所に観光客が訪れることによって、外来種の問題や自然を傷つける環境破壊、ゴミやトイレ問題など、取り返しのつかない事態になることもあり、より深刻です。

こうした問題は、単に「観光」自体が悪いというわけではなく、世界遺産の価値を守りながら観光を行う方法が世界遺産登録前に十分に考えて来られなかったという、準備不足による面は大きいと言えます。
世界遺産の価値を守ることが、観光資源としての世界遺産の価値につながるという点を理解、意識しながら、エコツーリズムなどの持続可能な観光を目指していく必要があります。

④練習問題

[1]日本からユネスコの世界遺産センターに推薦する遺産の候補を決定する会議の名称として、正しいものはどれか。

①文化遺産及び自然遺産に関する有識者会議
②世界遺産登録推進のための国民会議
③世界遺産条約関係省庁会議
④ユネスコ担当部局長会議

[2]「ユネスコ」を2018年末付で脱退した国の組み合わせとして、正しいものはどれか。

①アメリカ合衆国 ー イスラエル国
②アメリカ合衆国 ー カナダ
③英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) ー イスラエル国
④英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) ー カナダ

[3]世界遺産委員会の説明として、正しいものはどれか。

①世界遺産委員会と無形文化遺産委員会を毎年交互におこなう
②推薦された遺産を「登録」、「情報照会」、「登録延期」、「不登録」の4段階で決議する
③世界遺産条約締約国会議で事前審査を受けた遺産について、世界遺産委員会で審議する
④世界遺産基金への分担金の決定や監査を行う

[4]世界遺産委員会に諮問機関として参加する「ICOMOS」の正式名称として、正しいものはどれか。

①文化財の保存及び修復の研究のための国際センター
②歴史文化及び社会文化の研究のための国際センター
③国際学術連合会議
④国際記念遺跡会議

[5]世界遺産の登録基準に関する説明として正しくないものはどれか。

①「世界遺産条約履行のための作業指針」により定められている
②登録基準(ⅰ)〜(ⅵ)を認められたものが文化遺産である
③日本では『白神山地のみ』登録基準(ⅶ)が認められている
④10項目の登録基準がある

[6]『白川郷・五箇山の合掌造り集落』に認められている、独自の伝統的集落を示す登録基準として、正しいものはどれか。

①登録基準(ⅰ)
②登録基準(ⅱ)
③登録基準(ⅳ)
④登録基準(ⅴ)

⑤解答とエンディング

解答 [1]③ [2]① [3]② [4]④ [5]③ [6]④

いかがでしたか。
本日は6問で、昨日までの学習の復習も入っています。
わからなかった問題は、過去の記事で振り返って確認してくださいね。
基礎知識③世界遺産の登録条件・登録基準

登録基準については、3級までの学習でも1つ1つ覚える必要まではなかったので、しばらくは苦手な問題になるかもしれませんね。
私も覚えるまでしばらくかかりそうです。
毎日の積み重ねで、試験までには覚えるつもりです。

では、また明日もお待ちしています。

tomo

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