基礎知識⑥トランスバウンダリー・サイト/シリアルノ・ミネーション・サイト

世界遺産検定2級
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この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

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本日の学習項目は3つ
・トランスバウンダリー・サイト
・シリアル・ノミネーション・サイト
・危機遺産
3級まで学習されてきた方もよくご存知のテーマです。
試験では確実に得点すべき内容です。

①トランスバウンダリー・サイト

トランスバウンダリー・サイト(国境を越える遺産)は、国境線を越えて多国間に広がる自然遺産を登録する際に考え出されました。
多国間の協力の下で遺産を保全・保護することを目指したものです。

文化遺産においても同様ですが、かつては一つの文化圏であった地域が国境設定の中で分断されてしまうことがあり、そうした遺産の保護にあたってもトランスバウンダリー・サイトの概念が用いられています。

自然遺産ではオランダとドイツ、デンマークにまたがる『ワッデン海』、文化遺産ではベルギーとフランスにまたがる『ベルギーとフランスの鐘楼群』などがこれにあたる。

ワッデン海では潮の干潟による大規模な生態系が生み出されています。

②シリアル・ノミネーション・サイト

シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある遺産)は、文化や歴史的背景、自然環境などが共通する資産を、ひとつの遺産として顕著な普遍的価値を持つものとして登録するものです。

文化遺産では中国の『福建土楼群』、自然遺産ではロシアの『カムチャツカ火山群』などがこれに当たります。

またそれぞれの資産が国境を越えて存在する場合、トランスバウンダリー・サイトとなります。
日本においては東京の上野にある「国立西洋美術館」が『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』として登録されていますが、これは「シリアル・ノミネーション・サイト」であるだけでなく、「トランスバウンダリー・サイト」でもあります。

③危機遺産

危機遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に記載されている遺産のことです。
世界で最初の世界遺産が誕生した翌年(1979年)には、地震の被害を受けたモンテネグロの『コトルの文化歴史地域と自然』が初めて危機遺産リストに記載されました。

世界遺産リストに記載されている遺産が対象となる可能性があるわけですが、危機遺産リストに記載されるのは自然災害や紛争・戦争により遺産そのものが破壊された場合だけではありません。
都市開発や観光開発による景観の悪化であったり、密猟や違法伐採による環境破壊など重大かつ明確な危険にさらされている場合にも危機遺産リストに記載されます。

近年では『ウィーンの歴史地区』のように都市部における経済開発活動による景観の破壊や、シリアやマリの遺産のように紛争による遺産破壊などが問題となることが多くなっています。

特に自然遺産の場合は、一度遺産の価値が損なわれてしまうと修復が難しいこともあるので、早めの対応が求められています。

危機遺産リストに記載された場合、遺産の保有国は保全計画の作成と実行が求められます。
その際には、世界遺産基金の活用や各国の政府、民間機関などから財政的・技術的援助を受けることが可能です。

危機遺産リストに関しては、世界遺産検定公式ホームページの最新の学習資料からも確認できます。
世界遺産検定公式HP学習資料
2019年時点の危機遺産についてはリスト入り1件、脱リストが2件、総数は53件とのことです。

<抹消されたケース>
世界遺産の顕著な普遍的価値が損なわれたと判断された場合は、世界遺産リストから抹消されることもあります。
2007年にはオマーンの『アラビアオリックスの保護地区』が政府による保護地区の90%削減政策の決定を受けて世界遺産リストから抹消されました。
また、2009年にはドイツの『ドレスデン・エルベ渓谷』が橋の建設による景観悪化を原因として抹消されました。
現段階では、世界遺産リストからの抹消事例は上記の2件のみとなっています。

④練習問題

[1]「トランスバウンダリー・サイト」に関する説明として、正しいものはどれか。

①日本にはトランスバウンダリー・サイトが2件ある
②真正性と完全性を両方満たす遺産である
③国境線を越えて多国間に広がる遺産である
④『マチュ・ピチュ』はトランスバウンダリー・サイトである

◆世界遺産登録に関する以下の問いに答えなさい。

[2]「真正性」という概念を示したヴェネツィア憲章の考え方に基づいて設立された機関として、正しいものはどれか。

①世界遺産センター
②IUCN
③ICOMOS
④ICCROM

[3]「グローバル・ストラテジー」の説明として、正しいものはどれか。

①風化しにくい石の文化に属する遺産の登録強化などを挙げている
②先史時代や現代の遺産の登録強化などを挙げている
③宗教に関する遺産の登録強化などを挙げている
④30件以上の遺産を保有する国からの推薦を控えるように求めている

[4]文化的景観は3つのカテゴリーに分類される。そのカテゴリーとして、含まれないものはどれか。

①有機的に進化する景観
②意匠された景観
③関連する景観
④持続性を持つ景観

[5]20120年7月現在の世界遺産の登録状況として、正しいものはどれか。

①危機遺産リストに記載されている遺産数は50件を越えている
②世界遺産の登録数は1,300件を超えている
③ヨーロッパで最も多く世界遺産を保有する国はフランス共和国である
④日本は文化遺産を21件保有している

⑤解答とエンディング

解答 [1]③ [2]③ [3]② [4]④ [5]①

本日は5問でした。
世界遺産の登録に関する設問はわからなかったところは、過去の記事から確認してください。

 

危機遺産について考えるとき、学生時代に学んだ社会科はなんだったのだろうかなと思ったりします。
ただ、場所や出来事を暗記しても意味がなくて、そこから自分が何を感じ取れたかが重要だったんだろうと思います。
私は何も感じ取れなかった一人ですが。
その歴史や遺産が伝えていること、それを受けて現代に生きる自分たちはそこから何を学ぶのか、その価値をどう生かすのか、守るのか。
そしてどう共存するのか。
学べることってすごくたくさんあったのだなと、今更ながら気付かされます。

それも世界遺産を通して教えられたことかなと思ったりしています。
この学習は本当に楽しく価値のあるものだと感じています。

皆さんは、学習を通してどんな楽しみを見出されているでしょうか?

本日はここまでです。
では、また。

tomo

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