基礎知識③世界遺産の登録条件・登録基準

世界遺産検定2級
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この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

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世界遺産に登録される条件や、10項目ある登録基準は世界遺産検定の学習では定番ですね。
3級までは登録条件を問われる問題が多かったですげ、2級では、10項目の登録基準を覚える必要がありそうです。
本日は登録の条件と基準について学びます。

①世界遺産登録の条件

世界遺産登録を目指す各国は、遺産が記載された「暫定リスト」を作成してユネスコの世界遺産センターへ提出するところから世界遺産登録への道が始まります。
そして、世界遺産リストに記載されるための条件が5つあります。

世界遺産登録の条件

①遺産を保有する国が世界遺産条約の締約国であること
自国の遺産を世界遺産登録するためには、世界遺産条約を締結し、締約国となる必要がある。
ただしユネスコ加盟国である必要はない。(かつてユネスコ脱退中の国から世界遺産が登録されたこともある)

②遺産があらかじめ各国の暫定リストに記載されていること
締約国は、世界遺産登録を目指す国内の遺産を記載した「暫定リスト」を作成し、ユネスコの世界遺産センターに提出しなければならない。

③遺産を保有する締約国自身からの推薦であること
顕著な普遍的価値が明らかな遺産であっても、遺産保有国以外が推薦することはできない。
唯一の例外は、国際状況と保全状態を考慮し、ヨルダンが申請した『エルサレムの旧市街とその城壁』のみである。

④遺産が不動産であること
世界遺産登録を目指す遺産は、土地や建物などの不動産でなければならない。

⑤遺産が保有する国の法律などで保護されていること
遺産を保護・保全する義務と責任は遺産保有国にあるため、世界遺産登録を目指す遺産は各国の法律などで守られていなければならない。

 

上記の前提条件を備えた上で、その遺産が「顕著な普遍的な価値」を持ち、「真正性」や「完全性」が明らかで、「世界遺産条約履行のための作業指針」で定められた10項目の登録基準の一つ以上に当てはまるものが、世界遺産リストに記載されます。

<真正性>

主に文化遺産に求められる概念で、建物や景観などが、それぞれの文化的背景の独自性や伝統を継承していることが求められます。
特に、修復の際などは創建当時の素材や工法、構造などが可能な限り保たれている必要があります。

<完全性>

保全計画や法体制、十分な広さ、予算、人員など、世界遺産の顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素が全て揃っていることなどが求められる概念です。

『ヴェネツィアとその潟』は文化遺産の登録基準(ⅰ)〜(ⅵ)全てが含まれる。

②登録基準

10項目の登録基準が顕著な普遍的価値の評価基準として「世界遺産条約履行のための作業指針」として定められています。

登録基準は初め、文化遺産と自然遺産で別々になっていましたが、2005年の第6回世界遺産委員会特別会合において作業指針が改定されました。
このとき文化遺産・自然遺産共通の登録基準(ⅰ)〜(ⅹ)にまとめられ、2007年の第31回世界遺産委員会で審議される遺産から、この10項目の登録基準が適用されています。
この10項目は、共通の登録基準ではあるものの、登録基準(ⅰ)〜(ⅵ)を認められたものが文化遺産、登録基準(ⅶ)〜(ⅹ)を認められたものが自然遺産となり、両方の登録基準にまたがるものが複合遺産とされます。

登録基準(要約)
(ⅰ):人類の創造的資質を示す
(ⅱ):文化交流を証明する
(ⅲ):文明や時代の証拠を示す
(ⅳ):建築技術や科学技術の発展を証明する
(ⅴ):独自の伝統集落や、人類と環境の交流を示す
(ⅵ):人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術と関係する
(ⅶ):自然美や景観美、独特な自然現象を示す
(ⅷ):地球の歴史の主要段階を証明する
(ⅸ):動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す
(ⅹ):絶滅危惧種の生息域で、生物多様性を示す

<負の遺産>

世界遺産には、戦争や紛争、人種差別や奴隷貿易など、人類が歴史上で犯してきた過ちを記憶にとどめ繰り返さないよう教訓とするための「負の遺産」がある。
負の遺産は世界遺産条約で定義されているものではないが、世界遺産条約の理念の中では重要な位置付けとなる。

人類史上初の原子爆弾が投下された惨劇を伝える『広島平和記念碑(原爆ドーム)』や黒人奴隷の拠点となった歴史を持つ『ゴレ島』などが負の遺産として考えられている。
負の遺産は通常他の基準とあわせて登録されることが望ましいとされる登録基準(ⅵ)のみで登録されることがあるのが特徴である。

<「世界遺産条約履行のための作業指針」に記載されている登録基準の内容>

③練習問題

[1]世界遺産の登録基準などを定める「作業指針』の正式名称として、正しいものはどれか。

①世界遺産登録促進のための作業指針
②世界遺産委員会運営のための作業指針
③顕著な普遍的価値の保障のための作業指針
④世界遺産条約履行のための作業指針

[2]登録基準(ⅱ)の説明として、正しいものはどれか。

①文明や時代の証拠を示す遺産に認められる
②建築技術や科学技術の発展を証明する遺産に認められる
③文化交流を証明する遺産に認められる
④独自の伝統集落や、人類と環境の交流を示す遺産に認められる

④解答とエンディング

解答 [1] ④ [2] ③

本日は世界遺産リストへの登録条件と世界遺産の登録基準10項目でした。
10項目の登録基準については、試験までに頭に入れればいいので、少しずつ身につくように時々問題を入れていきますね。
ひたすら繰り返せばいつか覚えると思います。

あと、少し古い資料で申し訳ないですが、日本の世界遺産に関する登録基準の表も貼っておきます。
また、新しいものは2級学習の中で書いていきますのでお待ちください。

本当は、この記事に世界遺産登録の流れも入れようと思ったのですが、ボリュームが多すぎて、明日に回すことにしました。

では、明日もお待ちしています。

tomo

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