絹産業(富岡製糸場と絹産業遺産群・リヨンの歴史地区)

世界遺産検定3級
2

本日の世界遺産は富岡製糸場とフランスにあるリヨンです。ともに絹産業で栄えた場所です。

リヨンには数年前に2度訪れたことがあります。フランスを旅する際に、南フランスや、スイス方面への中継地点になる場所です。電車でフランスを旅されたことがある方であれば、訪れたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

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①富岡製糸場と絹産業遺産群

群馬県
登録年:2014年
登録基準:(ⅱ)(ⅳ)
生糸の輸出量世界一を支えた官営工場

この世界遺産は、明治政府が1872年に設立した官営の器械製糸場である「富岡製糸場」と、「田島弥平旧宅」、「高山社後」「荒船風穴」の4つの資産で構成される。

*殖産興業を掲げた明治政府は、江戸時代末期より日本の主要輸出品であった生糸を輸出品の軸に据えて貿易拡大を目指した。

フランス人技師のポール・ブリュナを雇い入れ、日本の官営工場の建設と最新の器械製糸技術の導入、技術者の育成をはかった。ブリュナにより、養蚕が盛んで土地も広く、水も豊富な富岡が工場建設の地として選ばれた。

富岡製糸場では、全国から工女を募集し、のちに彼女たちが地元へ戻り指導者となることを目的とした。
そのため、工女たちの労働環境も配慮されており、医師の常駐する病院や寄宿舎、食事や薬なども無料で用意されていた。

また富岡製糸場では、西欧の技術と日本の技術が融合した和洋折衷の建造物群がつくられた。富岡製糸場の繭倉庫や繰糸城は、日本古来の木造の柱に西欧伝来のレンガを組み合わせた木骨レンガ造と呼ばれる構造で建てられている。内部は、柱が少なく広い工場空間を確保することができる、三角形を基本とした屋根組のトラス構造が採用されている。

富岡製糸場は養蚕農家の田島家、養蚕研究機関の高山社、蚕種(蚕の卵)貯蔵の荒船風穴などと相互に連携して技術の交流と革新を行い、明治から大正、昭和にわたって高品質の生糸をつくり続けてきた。
しかし、化学繊維の普及による生糸の価格の下落などのため、1987年に操業を停止した。

 

絹産業

絹は紀元前の中国で生まれ、弥生時代に日本に伝えられた。
3世紀の『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』には、卑弥呼が中国に絹織物を献上していた記録が残っている。
奈良時代に養蚕が全国的に広まったが、本格的な生糸生産が始まったのは江戸時代である。

英語で読む世界遺産

Tomioka Silk Mill was a government – owned factory established by the Meiji government in 1872.
Its introduction of French technology brought improvement in the quality of raw silk as well as mass-production.
It is a successful example of industrial modernization in Japan.

②リヨン歴史地区

フランス共和国
登録年:1998年
登録基準:(ⅱ)(ⅳ)
2000年以上もの歴史を持ち絹産業で栄えた都市

フルヴィエール大聖堂

リヨンは、紀元前1世紀にローマ人によって、*ガリア3州と呼ばれた地方の首都として築かれた都市である。
ソーヌ川とローヌ川の合流点に位置する交通の要所であり、2000年以上にわたって政治や文化、経済の発展に重要な役割を果たしてきた。

*ガリア3州:西ヨーロッパでガリア人が居住した地域のうち、リヨン、アキテーヌ、ベルギーの3つの州

構成資産には「リヨン旧市街」「フルヴィエールの丘」「テロー広場」「クロワ・ルース」がある。

16世紀初めにフランソワ1世が絹織物産業を推奨したことで、この地で絹織物工業が急速に発展した。
18世紀末にフランス革命が起こるまでは、ヨーロッパにおける絹産業の中心地であった。
富岡製糸場で技術指導を行なったポール・ブリュナもリヨンで製糸技術を学んだ。

 

③本日の練習問題

『富岡製糸場と絹産業遺産群』に含まれる「富岡製糸場」の説明として、正しいものはどれか

①江戸時代末期に江戸幕府により築かれた
②繭倉庫や繰糸場は木骨レンガ造によって築かれた
③外国人技師であるリチャード・アークライトを雇い入れた
④蚕の生育を行うことを目的として、全国から工女が集められた

回答

いかがでしたか。
本日は日本とフランスの絹産業に関する世界遺産について学びました。
フランスを旅してリヨンを訪れた時には知らなかった、リヨンの歴史に触れることができました。
そして、富岡製糸場に器械製糸技術の導入を行ったポール・ブリュナ氏は、このリヨンで製糸技術を学んだとあるので、リヨンと日本が絹産業でつながっているのだというのも今回知ることができました。
世界遺産を学ぶことで、世界と日本のつながりが見えてくるのは学習の楽しい一面でもありますね。

では、また明日。

tomo

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