危機遺産①(バーミヤン渓谷)

本日は危機遺産に登録されている世界遺産です。
危機遺産については4級の学習(「危機遺産」と「負の遺産」)をご参照ください。
バーミヤン渓谷は世界遺産に登録されると同時に危機遺産にも登録された世界遺産です。

①バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群

登録年:2003年/2003年危機遺産登録
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
「文明の十字路」の歴史を物語る仏教遺跡

『バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群』は、アフガニスタンの首都カーブルの北西230kmの山岳地帯に位置するバーミヤン渓谷に設定された文化遺産で、負の遺産でもある。
バーミヤン渓谷は古代以来の都市であるバーミヤーン(バーミヤン)の町を中心とするヒンドゥークシュ山脈山中の渓谷地帯で、標高2500mほどの高地に位置しており、1〜13世紀ごろにかけて築かれた約1000もの石窟遺跡がある。
インドや中央アジア、西アジアを結ぶ交易の中継地として繁栄したこの地は「文明の十字路」であった。

遺跡群からは、前3〜前2世紀のバクトリア固有の芸術や宗教が、インドやギリシャ、ササン朝などの文化と融合してガンダーラ美術へと変化する様が見てとれる。
遺跡の中でももっとも有名なのが、4〜5世紀に建てられたと伝わる、2体の巨大な磨崖仏である。
現地では高さ55mの西大仏をパダール(父)、高さ38mの東大仏をマダール(母)と呼ぶ。

この地域がイスラム教徒の支配下に入ると、仏教徒は迫害された。
さらに*タリバン政権が2001年3月に偶像崇拝の禁止を理由にこの2体の磨崖仏を爆破し、石窟内の壁画も約8割が失われた。

*タリバン政権:アフガニスタンやパキスタンで活動するイスラム過激派組織タリバンが1996年から2001年までアフガニスタンの大部分を支配していた時の政権。

爆破による*仏龕(ぶつがん)の崩壊、壁画の劣化、盗難のおそれといった理由から、2003年、緊急的登録推薦で世界遺産と同時に危機遺産にも登録され、修復作業が進められている。

*仏龕:仏像などを安置する厨子

ガンダーラ美術

クシャーナ朝の都プルシャプラを中心としたガンダーラ地方で、1世紀以降に展開した仏教美術。
ギリシャ風(ヘレニズム)の彫りの深い容貌を特徴とする様式は、仏教の広がりにともなって、中央アジアや中国、日本にまで影響を与えた。

②本日の練習問題

世界遺産検定3級の過去問題からの出題です。

[1]文中の空欄に当てはまる語句として正しいものはどれか
『バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群』の仏教遺跡では、バクトリア固有の芸術や宗教が、インドやササン朝などの文化と融合して(  )美術へと変化する様子が見られる。

①ルネサンス
②ガンダーラ
③ビザンツ
④イスラム

[2]危機遺産の保有国において、危機を取り除くために必要な資金や人材が不足している場合に活用されることがある基金の名称として正しいものはどれか

①環境保護基金
②遺産修復基金
③ユネスコ基金
④世界遺産基金

以下、回答です

[1] ② [2] ④

いかがでしたか?
危機遺産は、場合によってはその後世界遺産登録から抹消される可能性もあります。
バーミヤン渓谷が危機遺産から脱却するには、まず平和で安全な国を作ることが先決ですね。
明日も危機遺産に登録されている世界遺産について学びたいと思います。

では、また明日もお待ちしています。

tomo

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