啓蒙専制君主(シェーンブルン宮殿・ポツダムとベルリン)

世界遺産検定3級
5

本日もヨーロッパの宮殿と庭園の世界遺産です。
国際的に重要な会議が行われたりと、世界遺産としてだけでなく世界史に重要な1ページを刻む重要な場所でもあります。
やはり、豪華で優美な内装の装飾が施されているのですが、ここで紹介できるのは外見の写真のみで申し訳ありません。

 

①シェーンブルン宮殿と庭園(オーストリア共和国)

登録年:1996年
登録基準:(ⅰ)(ⅳ)
ハプスブルク家の栄光を伝える宮殿

オーストリアの首都ウィーンにあるシェーンブルン宮殿は、神聖ローマ皇帝レオポルト1世が造営した離宮が前身である。

1740年にハプスブルク家の家督を継承したマリア・テレジアは、この離宮を大規模に増改築し、ハプスブルク家が支配する神聖ローマ帝国の象徴ともいえる壮大な宮殿が誕生した。
ここを拠点に、マリア・テレジアは啓蒙主義的政策を行って、国力の維持に努めた。

重厚なバロック様式の外観は、金色を模したマリア・テレジア・イエローと呼ばれる黄色で統一され、内部は優美なロココ様式の装飾が施された。
総部屋数は1400以上で、最も豪華な「百万の間」や6歳のモーツァルトがマリア・テレジアの前で御前演奏をした「鏡の間」が有名。
このとき、宮殿で滑って転んだモーツァルトが手を差し伸べてくれた7歳のマリー・アントワネットに求婚したという逸話が残る。
また世界最古ともいわれる動物園が1752年に開園したほか、ガラス建築の植物園、花壇を中心に広がるフランス式庭園が敷地を構成している。

1809年にウィーンを制圧したナポレオン1世はこの宮殿に司令部を置いた。
その後、1814年に開かれたウィーン会議ではフランス革命とナポレオン戦争後の国際秩序が話し合われた。
各国の思惑と利害が対立し、遅々として進まない様子は「会議は踊る、されど進まず」と評された。
また1961年、アメリカのケネディ大統領とソ連の最高指導者フルシチョフがこの宮殿で行なった会談では米ソ対立が明確化し、会議後にベルリンの壁が築かれた。

啓蒙専制君主

18世紀後半のヨーロッパでは、プロイセンのフリードリヒ2世やオーストリアのヨーゼフ2世、ロシアのエカチェリーナ2世らの専制君主が啓蒙思想の影響を受け、中央集権化と君主主導の近代化、国内産業の育成を進め、積極的に領土の拡大にも努めた。

 

②ポツダムとベルリンの宮殿と庭園(ドイツ連邦共和国)

登録年:1990年/1992年、1999年範囲拡大
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
啓蒙専制君主の立案した宮殿

ドイツ北東部に位置するポツダムと隣接するベルリン南西部には、プロイセン王家の宮殿や庭園が数多くのこる。
中でも有名なのは、18世紀半ばにフリードリヒ2世(大王)が夏の離宮として造営したサンスーシ宮殿とその庭園である。
サンスーシとはフランス語で「憂いなし」を意味する。

宮殿の設計は、フリードリヒ2世の案をもとに建築家のクノーベルスドルフが担当した。
東西100mほどの平屋建てで、宮殿としては小規模で質素だが、内装は豪華でドイツ・ロココ様式の代表例である。
フリードリヒ2世はヴォルテールをこの宮殿に招くなど学術を奨励し、啓蒙専制君主の典型だった。

面積3㎢のサンスーシ庭園は、ルスト庭園やノロ庭園などに分かれる。
19世紀には、フランス・バロック式庭園からイギリス式庭園につくり直された。

サンスーシ宮殿の北東にあるツェツィーリエンホーフ宮殿では、1945年にポツダム会談が開かれ、米・英・ソの首脳が第二次世界大戦の戦後処理について協議した。

③本日の練習問題

世界遺産検定3級の過去問題からの出題とオリジナルの問題です。

[1]『シェーンブルン宮殿と庭園』の宮殿内部にみられる優美な装飾の様式として、正しいものはどれか。

①ロマネスク様式
②ゴシック様式
③バロック様式
④ロココ様式

[2]1945年にポツダム会談が開かれ、米・英・ソの首脳が第二次世界大戦の戦後処理について協議した、ドイツにある宮殿として正しいものはどれか。

①ヴェルサイユ宮殿
②バッキンガム宮殿
③ツェツィーリエンホーフ宮殿
④アルハンブラ宮殿

以下回答です

[1] ④ [2] ③

 

いかがでしたか?
シェーンブルン宮殿は、外観はバロック様式、内部がロココ様式です。建築に関連する〜様式は、馴染みがないと覚えるのも難しいですね。

そのロココ様式は、フランス語で岩を意味する「ロカイユ」がその名前の由来で、18世紀初期~中頃、フランスのルイ15世(在位1715~1774年)の時代の建築や家具、装飾などの様式のことをいいます。大規模で重厚なバロック様式と比べると小規模で繊細で、特に内装に曲線を多用する繊細で優美、軽やかな装飾が特徴なのだそうです。
そして、ロココ様式の代表建築は、シェーンブルン宮殿だけでなく、ヴェルサイユ宮殿のプチ・トリアノンや、サンスーシ宮殿もだそうです。
ロココ様式のことを「ルイ15世様式」とも言うそうですよ。今回は内装の画像がなくてすみません。

ではまた明日、お待ちしています。

tomo

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ポツダム会談が開かれたのはツェツィーリエンホーフ宮殿ですよ!

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