イスラム教②ダマスカスの旧市街

世界遺産検定2級

この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。

本日学習する世界遺産は『ダマスカスの旧市街』です。
ダマスカスという都市名は、世界遺産というよりシリア内戦のニュースでよく耳にする都市名となりました。
私自身もほとんど知識がありませんが、キリスト教にとっても重要な地のようで、歴史的にも古い都だった場所とのことです。

どのような場所だったのでしょうか。
それでは、本日もよろしくお願いします。

ダマスカスの旧市街

シリア・アラブ共和国/危機遺産
<文化遺産>
登録年:1979年
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
数多の勢力の支配を受けた交易場の要塞都市

シリア南西部に位置するダマスカスは、シリア・アラブ共和国の首都であり、『旧約聖書』に記述の残る世界最古の都市のひとつといわれています。
『旧約聖書』にはアブラハムが旅の途中で訪れた場所として記されています。
また、『新約聖書』ではキリストと聖母マリアが避難した地とされています。

旧約聖書と新約聖書

旧約聖書:ユダヤ教およびキリスト教の正典である。「旧約聖書」という呼称は旧約の成就としての『新約聖書』を持つキリスト教の立場からのもので、ユダヤ教ではこれが唯一の「聖書」である。そのためユダヤ教では旧約聖書とは呼ばれず、単に聖書と呼ばれる。

新約聖書:紀元1世紀から2世紀にかけてキリスト教徒たちによって書かれた文書で、『旧約聖書』とならぶキリスト教の正典。また、イスラム教でもイエスを預言者の一人として認めることから、その一部が啓典とされている。

ダマスカスは、メソポタミアとアラビア半島、地中海を結ぶ交通の要衝に位置しています。
そのためローマ帝国、ウマイヤ朝、オスマン帝国など、さまざまな大国の支配を受けてきました。
しかしその間も商業都市としての独自の地位を保ち続け、「砂漠のダイヤ」と呼ばれる繁栄を続けました。

ダマスカスの旧市街には、それぞれの支配時代に象徴的な建造物が建てられました。
ローマ時代の列柱や凱旋門、イスラムのモスクやキリスト教の聖堂など、さまざまな文化、宗教が残した125を数える歴史的建造物が残されています。

その中でも8世紀初頭にウマイヤ朝のアル・ワリード1世が建造したウマイヤ・モスクは、世界最古のモスクとされています。
ウマイヤ・モスクの多柱式の礼拝空間やモザイク画の装飾は、のちのイスラム建築に多大な影響を与えました。

ウマイヤ・モスク

ウマイヤ・モスクは、アッシリアの時代から聖地とされてた場所に建てられています。
かつてのローマ時代にはユピテル神殿がありました。
また、ビザンツ時代には聖ヨハネ聖堂があり、そのためモスク内にあるドーム型の墓所には、洗礼者ヨハネの首が埋葬されています。

また、ザンギー朝時代の12世紀半ばに建てられた病院マーリスターンや、18世紀半ばに建設されたアズム宮殿などがあります。
他にも、エルサレムを奪還したことで知られるサラディンが埋葬されたサラディン廟なども旧市街に立っています。

シリア国内では2011年より内戦が続いています。
2013年にはシリアの世界遺産6件すべてが危機遺産リストに記載されました。

シリア内戦:シリアで起きたアラブの春から続く、シリア政府軍とシリアの反体制派及びそれらの同盟組織などによる内戦。
アラブの春:2010年から2012年にかけてアラブ世界において発生した、前例にない大規模反政府デモを主とした騒乱の総称。

練習問題

[1]2011年から続く内戦によ理、国内の世界遺産6件がすべて危機遺産に登録された国( A )と、その国が保有する遺産( B )の組み合わせとして、正しいものはどれか。

①A.シリア・アラブ共和国 ー B.ダマスカスの旧市街
②A.シリア・アラブ共和国 ー B.サナアの旧市街
③A.パレスチナ自治政府 ー B.ダマスカスの旧市街
④A.パレスチナ自治政府 ー B.サナアの旧市街

[2]「危機遺産リスト」に関する以下の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
危機遺産リストに記載される原因にはさまざまなものがあるが、近年では『ウィーンの歴史地区』のように(    )が問題になることが多い。「ドレスデン・エルベ渓谷」が世界遺産から抹消された主な原因も同様である。

①紛争による遺産破壊
②天然資源の採掘
③開発による景観悪化
④オーバーツーリズム

[3]『ジェンネの旧市街』に関して、2016年に危機遺産に登録された理由として、正しいものはどれか。

①紛争による破壊
②地震による遺産の崩壊
③保護体制の不備
④違法伐採による環境破壊

解答とエンディング

解答 [1]① [2]③ [3]③

いかがでしたでしょうか。
今日紹介した内容は、世界遺産検定の学習に特化していますが、この世界遺産はさらに奥が深いと思います。
1日も早く内戦が終わり、人々の行き来が気軽にできるようになれば、この観光資源だけでも十分に栄える場所なんだろうなと想像できます。
シリア内戦についても、かなり複雑な経緯を辿り続けているようで、終戦の糸口はどこにあるのかな、と考えさせられます。
世界遺産は華やかに眼に映るものだけでなく、この深くて暗い一面を見せることもあって、学ぶことの意義を感じさせられる場面も多いですね。

今日の練習問題では、2級の学習で登場した危機遺産に関する問題も出題しています。
それぞれのリンクも添付しておきます。
[2]歴史地区と旧市街⑤ドゥブロヴニクの旧市街、他
[3]歴史地区と旧市街⑥コロンス島、他
危機遺産に関する復習は、「危機遺産」で検索してみてください。

本日もここまで読んでいただきありがとうございます。
では、明日もお待ちしています。

tomo

2級試験の受験は2021年の7月を目標にしています。
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