
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
本日もイスラム教の影響を受けた世界遺産です。
危機遺産にも指定されている『サナアの旧市街』はイエメン共和国にあります。
独特の景観に思わず感嘆しました。
イエメン共和国もこのブログでは初めて出てきた国です。
今日も楽しみながら学びたいと思います。
本日もよろしくお願いします。
サナアの旧市街
イエメン共和国/危機遺産
<文化遺産>
登録年:1986年/2015年危機遺産登録
登録基準:(ⅳ)(ⅴ)(ⅵ)
交易で栄えた世界最古の摩天楼都市
サナアはイエメンの首都で、政治経済、文化の中心地となっています。
イエメン西部の高原地帯にあるこの城塞都市は、中世アラビア都市の面影を色濃く残しています。
そして旧市街は高さ12mの城壁に囲まれ、「煉瓦の摩天楼」と呼ばれる往古の面影を今に伝えています。
旧約聖書「創世記」のノアの方舟物語によると、神の御告げに従い大洪水を生き抜いたノア。
そしてサナアは、そのノアの息子・セムによって拓かれたと伝わる世界最古の都市の一つです。
セムが建設したという伝説から、「マディーナット・サーム(セムの街)」とも呼ばれています。
サナアは、紀元前10世紀頃はすでに*乳香交易によって繁栄していました。
その後エチオピアやビザンツ帝国、オスマン帝国などの支配を受けました。
イスラムの強い影響を受けながらも独自の文化を発展させていきました。
*乳香交易:カンラン科の樹木から取れる樹脂で、香料として使われた乳香
サナア東部に位置する旧市街は東西約1.5km、南北約1kmほどの楕円形をしています
7世紀にムハンマドが創建されたとされる100以上のモスクと64のミナレットなどの歴史的建造物が残されています。
また城壁内のスーク(市場)は、迷路のように入り組んでいます。
城壁に唯一残るイエメン門をくぐると、スーク・アル・ミルと呼ばれる塩の市場を中心に、40もの区域に分かれたスークが広がっています。
香辛料や金銀細工などを扱う何千もの店が軒を連ねており、戦時中にも商取引が続けられたといいます。
その理由には、スークが神聖な場所とみなされ、争いごとも武器の携行も禁止されていたことにあるようです。
この旧市街を最も特徴づけているのが6,000等以上ある高層住宅です。
窓枠に白い漆喰を施した独特の高層家屋が密集しています。
古来、交易で栄えたサナアは抗争に巻き込まれやすく、外敵から護るためこのような居住になったといわれます。
その多くは5〜6階建ですが、中には9階建、最大で50mに達する住宅もあるそうです。
これらの高層住宅には、鉄筋などは一切使われていません。
花こう岩や玄武岩でできた土台に、「アドベ」と呼ばれる日干しレンガを積み上げられて作られています。
2015年に勃発したイエメン内戦により、サナア旧市街は爆撃を受けました。
そして同年に危機遺産リストに記載されています。
練習問題
[1]『サナアの旧市街』に関する次の文の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
世界最古の都市とされるサナアは、紀元前10世紀頃にはすでに( )によって反映していた。
①香辛料貿易
②サハラ交易
③ヴォルガ交易
④乳香交易
[2]『サナアの旧市街』に関して、高層住宅に使用される、日干しレンガの呼び名として、正しいものはどれか。
①アドベ
②セルギー
③イコン
④コムーネ
解答とエンディング
解答 [1]④ [2]①
いかがでしたでしょうか。
少しボリューム少なめの記事でした。
今日の画像の風景は、2010年頃に撮影されたものですので、2015年のイエメン内戦でどのような被害を受けたのかはわかりません。
この素晴らしい景観と文化が、これからも受け継がれてほしいものですね。
では、また明日もお待ちしています。
tomo
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