
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
本日学習する世界遺産は、産業遺産3件です。
なんとも世界遺産名からして、難解さが漂っています。
私は全て初見の世界遺産でした。
今日は、前置き短く早速学習に入りたいと思います。
本日もよろしくお願いいたします。
①サラン・レ・バン大製塩所からアルケ・スナン王立製塩所までの天日塩生産所
フランス共和国
<文化遺産>
登録年:1982年/2009年範囲拡大
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
クロード・ニコラ・ルドゥーが目指した工業都市の理想系
製塩業の歴史を物語るとともに、かつて計画された理想都市の面影を含むフランスの産業遺産として登録されています。
1982年にまずアルケ・スナンの王立製塩所が単独で登録され、2009年にサラン・レ・バンの大製塩所の拡大登録にともない、現在の名称となりました。
アルケ・スナン王立製塩所は、ルイ16世治世下の1775年、クロード・ニコラ・ルドゥーにより設計・建築が開始された。
ルドゥーは円形に建造物を配置することで労働組織の効率化を目指した。
半円形の状態で未完成のままとなったが、理想的工業都市実現への大きな試みでした。
近くのサラン・レ・バン製塩所の歴史は中世以前に遡るが、本格的な製塩所は同じくルドゥーにより建造されました。
サラン・レ・バンは中世以降、製塩業によって繁栄した都市であり、12世紀にさかのぼる2つの製塩所を擁していました。
大製塩所はそのうちアモンの井戸と呼ばれる塩井に建設された製塩施設です。
製塩所には、地下から汲み出した塩水を金属製の釜で煮詰めた設備などが残ります。
②京杭大運河
中華人民共和国
<文化遺産>
登録年:2014年
登録基準:(ⅰ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
北京から浙江省まで中国東部を縦横する京杭大運河は、総延長2500キロメートルに及ぶ大運河です。
運河は途中で、黄河と長江を横断しています。
紀元前5世紀から各地で作られてきた小運河を、後7世紀の隋の時代に連結したものです。
完成したのは610年でした。
運河建設は人民に負担を強いて隋末の反乱の原因となりました。
しかし運河によって経済の中心地江南と政治の中心地華北、さらに元のクビライ・ハーンによって軍事上の要地である涿郡だった大都(後の北京)が結合して、中国統一の基盤が整備されました。
分断していた南北が結ばれ、穀物や米の流通が国家の食糧事情を向上させ、大運河は以後の歴代王朝の内陸物流の要となりました。
また、13世紀には中国の主要5河川が結ばれ、国家の経済・文化交流に重要な役割を果たしました。
運河の大部分は現在も利用されています。
③パドレ・テンブレケ水利施設の水道橋
メキシコ合衆国
<文化遺産>
登録年:2015年
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
パドレ・テンブレケ水道橋は、メキシコ中部メヒコ州とイダルゴ州に残る約48kmの水道橋です。
16世紀にフランシスコ会の修道士フランシスコ・デ・テンブレケの指導のもと築かれました。
パドレは「神父」の意味であり、テンブレケ神父の水道橋と表記されることもあるそうです。
一段のアーチからなるものとしては史上最も高い(38m)水道橋でもあります。
建造に際しては地元の先住民として協働し、水利システムはローマ式を採用しました。
また、素材には現地のアドベ(日干しレンガ)を採用しており、ヨーロッパ文化とアメリカ先住民文化の双方の建築様式が融合しています。
④練習問題
[1]「フランス」にある、ルイ16世治世下でクロード・ニコラ・ルドゥーが設計の一部に携わった産業遺産として、正しいものはどれか。
①ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑
②サラン・レ・バン大製塩所からアルケ・スナン王立製塩所までの天日塩生産所
③ファン・ネレ工場
④クレスピ・ダッダの企業都市
[2]『京杭大運河』に関する、次の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
北京から浙江省まで中国東部を縦横する『京杭大運河』は、紀元前5世紀から各地で作られてきた小運河を、後7世紀の( )の時代に連結したものである。
①唐
②明
③隋
④秦
[3]16世紀にフランシスコ会の修道士フランシスコ・デ・テンブレケの指導のもと築かれた、メキシコ中部にかかる橋として、正しいものはどれか。
①ポン・デュ・ガール
②フォース鉄道橋
③パドレ・テンブレケ水道橋
④サン・ベネゼ橋
⑤解答とエンディング
解答 [1]② [2]③ [3]③
いかがでしたか?
世界遺産名もさることながら、登場する人物名もまた難解。。
それにしてもメキシコにこんな水道橋があったとは驚きでした。
まだまだ知らない世界遺産がたくさんあります。
引き続き楽しみながら学びたいですね。
では明日もお待ちしています。
tomo
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