
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
①ワディ・アル・ヒタン(鯨の谷)
エジプト・アラブ共和国
<自然遺産>
登録年:2005年
登録基準:(ⅷ)
クジラの祖先バシロサウルスの化石の発掘場所
『ワディ・アル・ヒタン』は、エジプト北西部の地帯に位置しています。
約4,000万年前に生息したクジラの祖先であるバシロサウルスの化石が発掘されたことで有名です。
現在は砂漠となっている一帯には、約4000万年前はテティス海と呼ばれる浅海が広がっていました。
この地域では、そのころに堆積した砂岩・石灰岩・頁岩の地層が現在地表に表出しています。
この始新世バートニアンの地層は最も古いもので約4100万年前から約4000万年前にかけて形成されたと考えられています。
ワディ・アル・ヒタンで出土した化石は、陸生哺乳類水中生活へと適応する過程を知る上で重要な研究材料となっています。
また、バシロサウルスの他にも、マングローブなどの植物の化石が発見されました。
この地は、*新生代古第三紀の化石の宝庫となっています。
*新生代古第三紀:古第三紀は地質時代の区分の一つで、6,600万年前から2,303万年前までの時代を指す。
新生代の最初の紀であり、白亜紀から続き、新第三紀へ繋がる。
古第三紀はさらに、暁新世・始新世・漸新世の3つに時代区分される。
②ステウンスの岸壁
デンマーク王国
<自然遺産>
登録年:2014年
登録基準:(ⅷ)
大絶滅を引き起こした隕石が生んだ岸壁
『ステウンス断崖』はデンマーク、シェラン島にある白亜質の断崖です。
首都コペンハーゲンのあるこのシェラン島南東部の海沿いには、白亜紀の地層が15kmに渡り続いています。
この断崖は度重なる浸食により40m以上の高さになっています。
約6,500万年前にメキシコのユカタン半島沖に衝突したチクシュルーブ隕石は、恐竜をはじめとする地上の生物の50%を絶滅に追いやったと考えられています。
そしてこの衝突時に生じた灰が遠くステウンスに蓄積して、今日の断崖となったと考えられています。
チクシュルーブ隕石のクレーターが海中にあるのと対照的に、ステウンスでは地上に地層が露出しています。
そのため観察が容易で、白亜紀前後の地質研究において重要な役割を果たしてきました。
世界でもK-Pg境界が特によく露出した場所の一つという地質学的重要性を持っています。
K-Pg境界:地質年代区分の用語で、約6550万年前の中生代と新生代の境目に相当する。
顕生代において5回発生した大量絶滅のうちの最後の事件。
練習問題
[1]エジプト北西部の「ワディ・アル・ヒタン」で発見された化石として、正しいものはどれか。
①ティラノサウルス
②アウストラロピテクス
③バシロサウルス
④レアンコイリア
[2]約6,500万年前にメキシコのユカタン半島沖に衝突し、地上の生物の50%を絶滅させたと言われる隕石として、正しいものはどれか。
①ホバ隕石
②バリンジャー隕石
③エンシスハイム隕石
④チクシュルーブ隕石
解答とエンディング
解答 [1]③ [2]④
いかがでしたか。
今日のポイントは、バシロサウルスとチクシュルーブ隕石です。どちらも地球の歴史、生物の歴史を知るのに重要ですね。
それにしても『ワディ・アル・ヒタン』の景観は、映画の中でしかみたことのない世界です。
地球にこんな場所があるんですね。
明日は、最近のまとめの記事になります。
またお待ちしています。
tomo
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