
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
①トマールのキリスト騎士団の修道院
ポルトガル共和国
<文化遺産>
登録年:1983年
登録基準:(ⅰ)(ⅵ)
テンプル騎士団の歴史を物語る修道院
リスボンの北約140㎞、ナバオン川の中流に広がる町トマールの高台に、城壁に囲まれたキリストの教修道院が世界遺産に登録されています。
ポルトガル中央部のサンタレンにあるトマールの修道院は、12世紀半ばにこの地を与えられた*テンプル騎士団によって築かれました。
*テンプル騎士団:中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会。正式名称は「キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち」であり、日本語では「神殿騎士団」や「聖堂騎士団」などとも呼ばれる。
以後16世紀まで増改築が繰り返され、ポルトガル最大規模の修道院となりました。
初期ムデハル様式と、ゴシックやルネサンス、マヌエルなどの各様式が見事に融合しています。
中でもサンタ・バルバラ回廊の3つの大窓に施された豪華な彫刻は、マヌエル様式の傑作とされています。
修道院はテンプル騎士団が解散した14世紀以降もキリスト騎士団に受け継がれ、エンリケ航海王子が団長に就任した15世紀に最盛期を迎えました。
エンリケ航海王子は、騎士団を率いイスラム勢力と戦い、新航路の開拓にも着手しました。
後のポルトガル海上帝国の先駆けとなりました。
②アッコの旧市街
イスラエル国
<文化遺産>
登録年:2001年
登録基準:(ⅱ)(ⅲ)(ⅴ)
十字軍の遺構が地下に眠る城塞都市
イスラエルの北部にある『アッコの旧市街』は、十字軍の遺構の上に建てられた城塞都市です。
12〜13世紀にイスラム教徒とキリスト教徒がアッコを巡って争い、13世紀末にはエジプトのマムルーク朝の支配下に入りました。
その後、この街はほとんど廃墟になりましたが、オスマン帝国が18世紀半ばに復興しました。
現在の街は18世紀から19世紀にかけてオスマン帝国が築いたものとなっています。
18~19世紀のオスマン時代のイスラム的な都市デザインを濃厚に残すアッコ旧市街のには、12~13世紀の十字軍時代の都市遺構がほぼ完全な形で眠り、近年その発掘も始まりました。
街の地下には十字軍の主力であった聖ヨハネ騎士団の集会所や教会、宿泊施設などが残っています。
これらは中世十字軍都市の設計や建築に関する貴重な資料となっています。
練習問題
[1]『トマールのキリスト騎士団の修道院』に関する、次の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
ポルトガル中央部サンタレンにあるトマールの修道院は、12世紀半ばにこの地を与えられた( )によって築かれた。
①十字軍
②ドイツ騎士団
③テンプル騎士団
④マルタ騎士団
[2]『アッコの旧市街』に関する、次の文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
12〜13世紀にイスラム教徒とキリスト教徒がアッコを巡って争い、13世紀末にはエジプトのマムルーク朝の支配下に入った。その後、この街はほとんど廃墟になっていたが、( )が18世紀半ばに復興した。
①オスマン帝国
②ローマ帝国
③ビザンツ帝国
④イスラム帝国
解答とエンディング
解答 [1]③ [2]①
いかがでしょうか。
アッコの旧市街に関しては、このテーマの世界遺産なのか?というところですが、一応入れておいてください。
さっと読んだだけでは、わかりにくいかもしれませんが、ポイントは、地下の遺構が十字軍の都市であるというところです。
本日もここまで、お付き合いいただきましてありがとうございます。
明日もお待ちしております。
tomo
2級試験の受験は2021年の7月を目標にしています。
来年の7月といわず早く検定を受けたい方には、公式テキスト購入をお勧めしています。
くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト<第3版>
ランキングに参加しています
にほんブログ村
世界遺産ランキング