
この記事は世界遺産検定2級学習用に構成しています。
2級試験の受験は2011年の7月を目標にしています。
来年の7月といわず、早く検定を受けたい方には、公式テキスト購入をお勧めします。
くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト<第3版>
本日学習するのは、「シングヴェトリル国立公園」です。
アイスランドの世界遺産はあまり紹介した記憶がありませんが、景観が素晴らしい場所です。
そして「世界最古の議会」が行われていた場所でもあり、自然、文化ともに特徴的な場所でもあります。
登録されているのは文化遺産のみですが、自然遺産の要素も兼ね備えているように感じます。
前置きが長く成りましたが、本日もお願いします。
①シングヴェトリル国立公園
アイスランド共和国/文化的景観
<文化遺産>
登録年:2004年
登録基準:(ⅲ)(ⅵ)
住民の野外集会が近代まで続いていた国民統合の象徴
『シングヴェトリル国立公園』は、アイスランドの首都レイキャヴィークから、北東50kmに位置しています。
ここでは、アルシング(全島集会)の遺構と豊かな自然環境が共に見られる文化的景観を有し、アイスランドの国家的な聖地となっています。
<国家的な聖地>
930年に、アイスランド各地の入植者の代表がこの地に集まり、初めてのアルシングを開催しました。
そこで共通の法律や規則を定めたといわれています。
そのためアルシングは「世界最古の会議』とされる民主的議会であったと考えられています。
各地の首長と農民の代表がつくった民主的な法律によって、1年に2週間ほど訴訟が行われました。
この会議は主に司法と立法を司り1798年まで続きました。
北欧各地からの入植者たちはこの文化を通して、団結と協調の精神を育んでいきました。
また、アイスランドの統合を象徴するこの地で、1944年にアイスランド共和国樹立の宣言も行われました。
国立公園内には法議長が演説を行った「法律の岩」、芝と石でつくられた仕切り石、18〜19世紀の農耕遺跡、伝統的集落の跡など、数々の遺構がかつてのまま残されています。
また、地下には10世紀頃の遺構も埋もれているそうです。
<大地が裂けつくられた景観>
この一帯には活発な火山帯が広がっています。
ここは世界で2ヵ所にしか存在しないギャオと呼ばれる大陸プレートの裂け目が見られる場所としても有名です。
アイスランドはユーラシアプレートと北米プレートの境目に位置しており、この場所ではユーラシアプレートが東へ移動し、北米プレートが西に移動することでできる裂け目を地上で観察することができます。
ギャオとはアイスランド語で「地面の割れ目」と指す単語で、シンクヴェトリルではアルマンナギャオと呼ばれる大きな割れの間を歩くことができるそうです。
この公園からグトルフォスの滝までのエリアには、水蒸気や熱湯を噴出するゲイシールが多く地球成長の歴史を見ることができます。
ゲイシールはアイスランド語で間欠泉のことで、英語の間欠泉を意味する「ガイザー」の語源にもなりました。
プレートの移動により、広がったギャオからマグマが噴出し、火山が形成さらたことで無数のゲイシールが生まれたと考えられています。
このゲイシールが見られるエリアと「グトルフォス」「シングヴェトリル国立公園」を合わせて「ゴールデンサークル」と呼ばれており、人気の高い観光地となっています。
②練習問題
[1]『シングヴェトリル国立公園』で10世紀ごろから行われていた、「世界最古の議会」とされる民主的議会(全島集会)の名称として正しいものはどれか。
①ニホア
②アルシング
③ギルド
④コムーネ
[2]『シングヴェトリル国立公園』には活発な火山帯が広がり、大陸プレートの裂け目が見られる。この大陸の裂け目はなんと呼ばれるか。
①マラエ
②スバック
③ギャオ
④クレーター
③解答とエンディング
解答 [1]② [2]③
いかがでしたでしょうか。
文中でギャオが見られるのは世界で2ヵ所と書いていまして(テキスト引用)調べてみたのですが、もう1ヵ所がどこなのかはわかりませんでした。
知っている方がいらっしゃいましたら、教えてください。
「ギャオ」に関しては他にギャウという記述を見かけることもありますが、世界遺産検定ではギャオをで大丈夫と思います。
地球成長の歴史を見ることができると言わしめながらも、複合遺産でないのには何か理由があるのでしょうか。
とはいえ、行ってみたい場所がまたひとつ増えた、そんな今日の世界遺産でした。
では、また明日もお待ちしています。
tomo
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