仏教(敦煌・アジャンター)

本日学習する世界遺産は中国の『敦煌の莫高窟』とインドの『アジャンターの石窟寺院群』です。
昨日学習したシルクロードや玄奘にゆかりのある世界遺産です。

①敦煌の莫高窟(中華人民共和国)

登録年:1987年
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅴ)(ⅵ)
シルクロードの中継点、敦煌

敦煌(とんこう)は前漢時代にシルク・ロードの中継点として発展した。
中国や西方の物資や文化は敦煌を通って運ばれ、東西の人々の交流にも活発に行われた。
インドで誕生した仏教も、中央アジアから敦煌を経て中国に伝わった。

中国三大石窟(せっくつ)の一つである莫高窟(ばっこうくつ)は、西方から来た楽僔(らくそん)という僧侶が366年に掘り始めたと伝えられ、13世紀まで造営が続けられた。
735の石窟のうち、敦煌文書研究所によって窟番号がつけられているものは492番まである。
造営された時代は、隋代に97窟、唐代には225窟と集中している。

莫高窟には2000体以上の仏像が安置されており、「千仏洞(せんぶつどう)」とも呼ばれている。
ブッダの前世の説話や伝記などを描いた壁画もあり、これらをすべてつなぎ合わせると約25km、総面積は4万5000㎡にもなる。
また、莫高窟にある*窟檐(くつえん)のうち最大の九層楼(きゅうそうろう)には、莫高窟最大の約35mの仏像が納められている。

*窟檐:石窟前面にひさしを突き出した形式の木造楼閣

1900年、道士のの王円籙(おうえんろく)が、莫高窟内で、経典、文書、絹本(けんぽん)の絵画、刺繍など5万点以上の文書を発見した。
その中には、様々な言語で書かれた写本も多数含まれていた。
彼の発見後、イギリスやフランス、ロシアなどの探検家たちがやってきて本国にこの文書を持ち帰ったっために、世界各国に散逸(さんいつ)してしまった。
敦煌文書(もんじょ)」と呼ばれるそれらの文書類は、仏教、道教、儒教の経典や史書、小説、民間伝説、戸籍、契約書などで、資料的価値が極めて高い。

このように文化・建築・交易・芸術的に高い価値を持つ敦煌の莫高窟は、文化遺産の登録基準(ⅰ)〜(ⅵ)をすべて満たす数少ない遺産である。

 

中国三大石窟

敦煌の莫高窟

龍門石窟
龍門石窟(りゅうもんせっくつ)は、中国河南省洛陽市の南方13キロ、伊河の両岸にある石窟寺院。「龍門石窟」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。

雲岡石窟
雲崗石窟(うんこうせっくつ)は、中華人民共和国山西省大同市の西方20kmに所在する、東西1kmにわたる約40窟の石窟寺院。「雲崗石窟」としてユネスコの世界遺産 (文化遺産) に登録されているが、あくまでも日本関係者の作業による結果と思われる。現地名は雲岡石窟と表記され、色々な専門書においてもその記述で統一されている上に、中国でのオフィシャルサイトの登録も全て「雲岡石窟」及び簡体字表記の「云冈石窟」で統一されている。

 

②アジャンターの石窟寺院群(インド)

登録年:1983年
登録基準:(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅵ)
アジア仏教美術の源流

ムンバイ(ボンペイ)の北東約360kmの断崖にある前兆約600mのアジャンターの石窟寺院群には、30以上の石窟が並ぶ。
石窟は、前2〜後2世この前期窟と、*グプタ朝時代の5世紀なかごろ〜7世紀の後期窟に分けられる。
前期窟にある壁画はほとんどが剥がれ落ちているが、第10窟にはインド最古の壁画が残っている。

礼拝のためのチャイティヤ窟には浮き彫りの仏像がみられる、僧侶たちが居住するためのヴィハーラ窟にはブッダの前世の説話(本生話)や伝記(仏伝図)などの壁画がある。

第1窟の蓮華手菩薩(れんげしゅぼさつ)は法隆寺金堂の壁画にも影響を与えたと言われ、アジャンターはアジアの仏教美術の源流といえる。

また、唐の玄奘(げんじょう)はアジャンターを訪れ、その繁栄ぶりを『大唐西域記』に記している。

*グプタ朝:320年ごろ〜550年ごろ。チャンドラグプタ1世が創設、インド古典文化の黄金時代を形成

③本日の練習問題

世界遺産検定3級の過去問題からの出題です。

◆次の表の空欄[1]と[2]に当てはまる語句を、それぞれ下の語群から選びなさい

①ベトナム社会主義共和国
②マレーシア
③インドネシア共和国
④アチャナ仏
⑤蓮華手菩薩
⑥盧舎那仏

[3]『法隆寺地域の仏教建造物群』の法隆寺西院伽藍にある、現存する最古の木造建造物として正しいものはどれか

①正倉院正倉
②金堂
③夢殿
④南大門

以下回答です

問いの[3]『法隆寺地域の仏教建造物群』についてはこちらから

[1] ③ [2] ⑤ [3] ②

いかがでしたか?

敦煌文書の発見は19世紀末から20世紀で、当時は歴史的にも大発見だったようです。
海外の人たちがそれを持ち出してしまったとは、今なら考えられないですね。相当な国際問題に発展しそうですが。
仏教に関連する世界遺産は日本にも非常に深く関わっているものですので、仏教伝来などの歴史と合わせて学べると良いですね。

明日は、タイと韓国の仏教に関連する世界遺産について紹介します。

では、また次回もお待ちしています。

tomo

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